「ワタル・エンドウに感謝を」「夢のデビューだ」 遠藤航が出場の2分後にチームを窮地から救う!

2018年08月06日 サッカーダイジェストWeb編集部

「サポーターはこういう試合が観たかったはずだ」と監督も上機嫌

日本代表ではMF、浦和ではCBとして活躍していた遠藤航。現チームではDF登録だが、ベルギーでのデビュー戦はMFとして起用された。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ベルギーでのデビュー戦、出場からわずか2分後にゴールを決め、チームを窮地から救った日本代表MFの遠藤航を、ベルギーの全国紙『Standaard』は「コミックのような展開をリアルに実現した」と絶賛している。

 ベルギー1部のジュピラー・リーグは7月27日開幕し、シント=トロイデン(STVV)の初戦はスコアレスドローに終わった。第2節で対戦したヘンクは、STVVと同じリンブルフ州のチームで、優勝候補にも挙げられる強豪だ。エリア・ダービーということもあり、スタジアムはレフェリーの笛の音が聞こえないほどの盛り上がりを見せていた。

 開幕戦もフル出場した19歳の冨安健洋は、右CBとしてスタメン、遠藤はベンチスタートとなった。 

 遠藤がピッチに入ったのは69分、セットプレーからチームが失点を喫した直後だった。待望のデビューを果たした遠藤は71分、味方が粘ってキープしたボールを受けると、一度FWのヨアン・ボリに預けてゴール前に走り込む。そして、ボリからの折り返しにダイレクトで合わせた一撃は、ゴール左隅に吸い込まれた。

 劇的な同点ゴールに敵地ルミナス・アリーナは悲鳴にも似た絶叫に包まれ、STVVのサポーターが陣取る一角から歓喜の声があがる。試合はこのまま引き分けで終了し、STVVは勝点1を獲得。前評判ではヘンクが圧倒的有利とみられていただけに、ファンの喜び方には凄まじいものがあった。

 試合後にSTVVのマーク・ブリース監督は、ベルギーのサッカー専門サイト『VOETBAL Belgie』の取材に対し、「サポーターはこういうゲームが観たかったに違いない。我々はもうちょっとできたかもしれないが、上々の結果といえるだろう。日本から来たエンドウが入って、ゴールを生んだ。夢のデビューだ」と絶賛した。
 

 またブリース監督によれば、この日の遠藤のベンチ入りは、ギリギリで決まったという。「クラブに感謝したい。彼らがいい仕事をしてくれて、入団5日後にエンドウが試合に出場できる準備を整えた。大変だったろうが、彼らも素晴らしい報酬を得たに違いないよ」と上機嫌にコメントしている。

 また、スポーツサイト『Voetbalkrant』は、「エンドウがルミナス・アリーナにおいて経験豊富かどうかは問題ではない。ダービーは汗、涙、そして血をもって争われ、彼らを襲った。けれど日曜日の夜、我々は強力なライバルであるヘンクから1ポイントを奪取した! ワタル・エンドウに感謝を」と称賛した。

 遠藤本人も試合後にツイッターを更新。ベルギーデビューを果たした試合を振り返った。「今日、リーグ戦デビューしました!ダービーでデビューし、初ゴールを決めることが出来て良かったです(^^)この試合での勝ち点1は大きいですが勝てていないので次は勝ち点3を目指して頑張ります!!」と、喜びとともに次節への意欲を表明している。

 このヘンク戦では冨安も初戦に続いてフル出場し、主に守備面で貢献。関根貴大はベンチ外となった。次は念願の初勝利を目指し、現地8月12日にホームでロケレンと対戦する。
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