本田圭佑らも希望する東京五輪の“オーバーエイジ枠”… 森保監督のビジョンは?

2018年08月03日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

理想への第一歩は、若手とベテランがいろんな関わりを持てる環境作り

A代表とU-21代表の二足の草鞋を履く。世界観融合をテーマとする森保監督は、その理想を口にした。写真:徳原隆元

 第18回アジア大会が、8月14日からインドネシアで開催される。日本からは東京五輪世代のU-21代表チームが参加する。
 
 今大会の指揮を執る森保一監督は、8月3日のメンバー発表記者会見の際に、今大会の目標を語った。
 
「1試合でも多く勝つのはもちろんですけど、アジアの大会で常々ベスト4に入りたいと考えている。なぜかと言うと、東京五輪には予選なく参加できますけど、世界の大会に参加することを考えると、育成年代でも、ワールドカップを戦うフル代表でも、ベスト4以上が世界につながっていく。そういう捉え方を私はしています。アジアを抜け出すのは非常に難しい。でも常に日本代表チームが各カテゴリーで世界に出ていくことを考えたいと思います」
 
 A代表も兼任する森保監督にとって、世界で戦うチームを作るための、ひとつの重大テーマが世代間融合だ。若手をA代表へ引き上げることも重要だが、2年後の東京五輪を見据えれば、逆に現在21歳以下の若いチームにいかにオーバーエイジをフィットさせるかもポイントになってくる。
 
 果たして指揮官は、オーバーエイジについてどう考えているのか。会見で、本田圭佑らロシア・ワールドカップを戦った選手が東京五輪への出場にも意欲的なことに触れ、おおまかなビジョンを明かしている。
 
「ロシア・ワールドカップに出た選手たちが、東京五輪に向けて、オーバーエイジでのプレーを表明してくれていること、チーム作りに貢献したいと表明してくれていることは、本当に有難いし、心強い。そういうふうに思いますし、本当に嬉しいです。
 
 最終的に誰を選ぶかは、もちろん現段階では決まっていないんですけど、東京五輪世代の選手には、オーバーエイジを含めて競争だということは伝えています。それを経て、オーバーエイジ枠はどこに必要なのか、そしたら誰が必要なのかを、これから考えていきたい。
 
 ただまず私がやっていきたいことは、まだまだ経験が浅い選手が多い東京五輪チームの選手に、経験豊富なベテラン選手たちといろんな関わりを持ってもらって、経験を伝えてもらうこと。より良い選手に成長してもらうために接点を持てる。そういう環境が作れたら良いなと思っています」

 世界と伍する日本代表――その理想への第一歩は、若手とベテランがいろんな関わりを持てる環境作りだ。A代表とU-21代表の兼任という、重大な責務を担う森保監督の今後の手腕に期待したい。
 
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)

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