中断明け5戦未勝利で6位転落… 豊富なタレントを抱えながらセレッソはなぜ勝てない!?

2018年08月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

中断明けの5試合で明確に機能したのは浦和戦の前半だけ…

中断明け5試合でいまだ勝ち星のないC大阪。清武、柿谷らが先発に復帰し、巻き返しへの態勢は整いつつあるが…。写真:川本学

 これが底なのか、それともさらに沈んでしまうのか。悲願のJ1制覇に向け、後半戦のスタートダッシュを目指していたはずのC大阪が苦しんでいる。ワールドカップによる中断期間明けは天皇杯3回戦・金沢戦に勝ったものの、リーグ戦では7月18日の清水戦(0-3)を皮切りに0勝3分け2敗と5試合連続未勝利。必勝を期してベストメンバーで臨んだ1日のホーム神戸戦も1-1のドローに終わり、6位に転落した。
 
 この一戦では負傷明けのMF清武とFW柿谷が先発復帰。リンクマンとしてMF山村をFW杉本の近い位置に配置する、昨季の形にユン・ジョンファン監督はシステムを戻した。だが、多くのタレントを擁しながら流れの中からチャンスを生み出すことはできない。40分にMFソウザの蹴ったCKがオウンゴールを誘発し、ラッキーな形で先制するも、流れの中では時折、カウンターから好機を迎えるだけで攻撃は単調なまま。73分に同点に追いつかれてからもゴールは遠く、イニエスタのいない神戸に主導権を握られたままタイムアップを迎えた。
 
 清武はまだまだ本調子にほど遠く、さらに5バックにして逃げ切ろうとしていたなかでオウンゴールにより追いつかれる不運もあった。ユン・ジョンファン監督も「この状況を乗り越えるためには勝利が必要になってきますが、選手たちは良くなっていると思います。その意識の部分をもっと強く持てば、昔の姿を取り戻せると思います」と今後への手応えを示している。
 
 だが、この5試合で攻撃が明確に機能したといえるのは、浦和戦の前半のみ。その個人技と打開力で頼みの綱となっているソウザは「ハマれば良いサッカーを見せられると思うが、もうちょっと連動性を高めていかないといけない」と課題を口にする。
 
 昨季なら「水沼の右クロス」や「セットプレ-」といった明確な得点パターンを確立し、劣勢の中でも拠り所となる形があり、少ない得点でも守り切れる強さをC大阪は備えていた。そこからバージョンアップしようと、今季はよりボールを保持した戦い方へと移行。船出となった2月のゼロックス・スーパーカップの川崎戦(3-2)では、主導権を握った攻撃的なサッカーを打ち出したが、それ以降は軸となるべき清武の離脱に加え、新戦力の韓国代表FWヤン・ドンヒョンがフィットしないことも重なり、理想のスタイルにはほど遠いクオリティとなっている。
 

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