ソン・フンミンのアジア大会派遣が正式決定! トッテナムと韓国協会の間で異例の“取り引き”も

2018年08月02日 サッカーダイジェストWeb編集部

プレミア開幕節を終えて、すぐさまジャカルタへ

調整がすべて終了し、晴れてジャカルタ行きが決まったソン。あとは周囲の期待に応えて、金メダルを持ち帰るしかない。(C)REUTERS/AFLO

 21か月間に及ぶ兵役義務が迫る韓国代表FW、ソン・フンミン。8月中旬から開幕するアジア大会で金メダルを獲得すれば、特例によってそれが免除される。最後のチャンスに賭けたいソンと、バックアップしたい韓国サッカー協会、そして所属元のトッテナム・ホットスパーの三者間で話し合いが続いていたが、ようやくその結論が水曜日に出た。
 
 トッテナムは当初、アジア大会のグループリーグ出場を回避させ、プレミアリーグの1節ニューカッスル戦(8月11日)と2節フルアム戦(同18日)に臨んでから、開催地のジャカルタに送り出す算段だった。だがそれでは、韓国U-23代表チームにオーバーエイジ枠で加わるソンがチームと練習する時間がほぼなくなり、決勝トーナメントがかなりのぶっつけ本番になる。そこで出た折衷案が、ニューカッスル戦後にチームを離れるというものだ。

 
 となれば、ソンはアジア大会グループリーグの初戦バーレーン戦(12日)こそ出場できないが、続くフィリピン戦(15日)とマレーシア戦(17日)のピッチには立てる。相手が明らかな格下のため、コンディション次第では欠場の可能性も2試合だが、若き後輩たちと連携を深める時間は十分に確保できるだろう。

 
 その後は、韓国が敗れるまで時間的な制約はない。もし決勝までフルで戦えば、遠征は9月1日までとなる。再合流して出場となると、5節のリバプール戦(9月15日)が復帰戦となるだろうか。最多でプレミアの4試合を欠場するというわけだ。
 
 そもそもアジア大会はFIFA(国際サッカー連盟)が定める国際Aマッチではないため、各クラブに派遣の義務はないが、トッテナムにしても、ソンの兵役問題は決して他人事ではない。ロシア・ワールドカップ終了後に契約を2023年6月まで延長したばかりだからだ。今回も韓国協会に対して、できるかぎりの譲歩をしたことになる。
 
 とはいえトッテナムも交換条件を出し、これを受諾されている。今後の韓国A代表のゲームで相殺しようというのだ。11月に行なわれる予定の親善試合と、年明け1月に開催されるアジアカップにおけるグループリーグ最初の2試合(フィリピン戦とキルギスタン戦)を欠場させ、チームでのプレーに専念してもらうのである。あまり聞いたことのない異例の取り引きだ。
 
 ソンは「本当に申し訳ない。トッテナムは僕のチームであり、仲間たちを残して去るのは心苦しい。ただ祖国のために戦うのもまた大切なことなので理解してほしい。本当に申し訳ない」と感謝しきり。あとは周囲の期待に応え、金色のメダルをゲットするのみだ。それまでの道程には、森保一監督率いる日本U-23代表との対戦もあるだろうか。
 
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