監督にもレッドカードを! 今季のイングランド・サッカー界で斬新なルールを導入

2018年08月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

プレミア元主審も賛同!

これまでも監督を退席させる権限はあったものの、新シーズンからは、誰の目にも明らかになるような形で処分を下せるようになる。 (C) Getty Images

 8月10日に2018-19シーズンのリーグ開幕を迎えるイングランド・サッカー界で、これまでになかった新ルールが導入される見通しとなった。

 英公共放送「BBC」は、ピッチサイドで違反行為をした監督またはコーチに対し、主審がイエローカードやレッドカードが提示できるルールが設けられることが決まったと報じている。

 監督やコーチがルール違反を犯した場合において、これまで審判には、退席処分を命じるか、口頭で警告するかの2択しかなかった。しかし新シーズンからは、カードを提示することで、より監督、コーチに対する処罰を明確化しようという狙いがあるようだ。

 とはいえ、イングランドのトップリーグであるプレミアリーグでの導入はまだ先になるようだ。「BBC」によれば、今シーズンは、FAカップ、リーグカップ、2~5部リーグで導入されることになっている。

 プレミアリーグでは、従来の形で口頭のみで処分されるようだが、カップ戦などでの試験導入が上手くいった場合は、本格的に取り入れられる流れのようだ。

 なお、カードの対象となる違反行為も定められており、審判への不適切な言葉やジェスチャー、ボトルを蹴る・投げる、皮肉を込めた拍手、過度なVAR要求などがある。

 また、イエローカードが4枚となった監督は1試合のベンチ入り禁止処分を科され、8枚で2試合、12枚で3試合のベンチ入り禁止となり、16枚以上になると、FAから告発を受けるという。

 この決定を伝えた英紙『THE Sun』の取材に応じた元プレミアリーグの主審マーク・クラッテンバーグ氏は、次のように語っている。

「審判はすでに、監督を退席させる権利をもっているが、カードを提示することできれば、主審の判断がより透明化される。スタジアムにいる誰もが、テレビで見ないとわからないようなことを正確に把握できるからね。

 監督たちが受けている大きなプレッシャーとゲームに対しての感情が入り混じっていることを考えれば、新ルールが彼らに対する大きな抑止力になるとは思えない。これまでのように、暴言を吐く監督はいるだろう。選手たちだってそうなのだから。

 ただ、少しでもそういう監督が減り、審判に対するリスペクトが増える可能性が出てくることを考えれば、非常に興味深い取り組みだと言えるだろうね」

 はたして、イングランドで設けられた新ルールは、受け入れられるのか? その効果の程が気になるところだ。
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