ネイマール、母国CMで“過剰演技”について独白「たまに大袈裟にやるときもある」「僕の心はボロボロ」

2018年07月31日 サッカーダイジェストWeb編集部

約1分半に渡って明かした本音。

テレビの前で国民に訴えたネイマール。その想いはファンに届くのだろうか? (C) Getty Images

 日本でも大きな盛り上がりを見せた先のロシア・ワールドカップ。大会期間中に様々な話題が振りまかれたなかで、最も論争を巻き起こしたのが、ブラジル代表FWネイマールの過剰すぎるリアクションだ。

 大会の主役になることが期待されたセレソンの至宝だったが、注目を浴びたのは、ファウルを受けるたびに過剰に痛がる姿。相手DFからタックルを受けるたびに転げまわったことで、時間稼ぎと見られたのだ。

 チームの結果も準々決勝敗退に終わり、その批判の矛先は、当然のようにネイマールへと向けられた。巷ではSNSを中心に痛がる素振りを真似て、「ネイマール!」と言われたら倒れ込む、『ネイマールチャレンジ』が大流行した。

 そうした自身に対する風当たりが日増しに強くなっていることを受け、ネイマールは現地時間7月19日のチャリティーイベントで、「あのね、分かる? だれが好き好んでタックルに顔を歪めてばかりいる? マジで痛いし、実際に怪我を負わされるんだよ! だいたいゲームのあと、アイシングをして4、5時間はじっとしているくらいさ」と弁明していた。
 
 それでも依然として批判の声が止むことはなかったため、セレソンの10番はついにテレビCMを利用してファンやメディアに訴えたのだ。

 7月29日からブラジル国内でオンエアされるようになった髭剃りメーカー「ジレット」のCMに登場したネイマールは、自身に対する想像を絶するプレッシャーや批判に対しての持論を展開した。約1分半に渡る独白だ。

「君たちは僕が大袈裟に演じていると思うかもしれない。たしかにたまにそういう時もある。でも、ピッチで僕が苦しんでいるのは事実だ。

 インタビューに応えることなくロシアを去ったのは、勝利だけを求めているからじゃない。いまだに、あなたたちを失望させる方法が分からないからなんだ。無礼に見えるのは、僕が甘やかされているからじゃなく挫折を知らないから。どうやって苛立ちをコントロールすればいいのか分からないんだよ。

 心の中では、少年時代の自分を常に忘れないようにしている。でもピッチではそうはいかない。時には世界を魅了することができるが、時には世界中を苛立たせることもある。あなたは僕がよく転ぶと思っているかもしれないが、実際は違う。僕の心はボロボロなんだ。時間はかかったけど、僕はあなたたちの批判を受け入れるよ。自分自身を鏡で見つめられるまでにも時間はかかったが、新しい男になることにしたんだ」

 そして、この独白をネイマールはこう締めくくっている。

「たしかに僕は何度も倒れたが、倒れた人だけが自分を立たせることができると思う。僕が立ち上がる時、ブラジルも一緒に立ち上がる」

 レアル・マドリーへの移籍も噂されたが、パリ・サンジェルマン残留を決めたというネイマール。はたして、"新しい男"としてバージョンアップした姿を新シーズンに見せられるのか。その一挙手一投足が注目される。
 
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