「すっごい楽しい!」増山朝陽が目を輝かせて“イニエスタ効果”を語る!!

2018年07月29日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「欲しいと思っているボールが分かっているように来る」

増山はイニエスタとのプレーを楽しんでいた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ18節]神戸1-0柏/7月28日/ノエスタ
 
「やったら分かると思うんですけど、すっごい楽しいです。すっごい楽しいです!」
 
 1-0で勝利した柏戦後、決勝点を挙げた増山朝陽はそう言った。この試合で初先発を飾った、アンドレス・イニエスタとのプレーについてだ。よっぽど楽しかったのか、無邪気な笑顔で目を輝かせながら話を続けた。
 
「目が合って、僕が思い描いている絵、こういうように欲しいと思っているボールが分かっているように来るので、非常にやりやすい。日本人選手は見えていても、引っかかるリスクがあるから、出さないことが多いじゃないですか。それでも、イニエスタは狭いところでもピンポイントで出してくるし、欲しいなと思った時にボールがイメージ通りに出てくるので、凄く気持ち良くて楽しいです」
 
 たしかに、前半戦に行なわれた柏とのアウェー戦、神戸はリスクを負わないポゼッションに終始して攻撃が停滞し、1-2で敗れた。その試合とは打って変わり、後半戦はイニエスタをパス回しの中心にして、多くの選手が積極的に相手の嫌なスペースを突いていた。
 走れば元スペイン代表MFからパスが出てくるという信頼が、迫力ある攻撃を生んでいたのは明らかだ。顕著だったのは前半終了間際のワンシーン。右サイドバックの三原雅俊から中央でボールを受けたイニエスタは、周りの状況を確認すると、ダイレクトで相手の最終ラインの裏へ絶妙なスルーパスを送った。走り込んだ増山がその場面を振り返る。
 
「(ダイレクトで来ると)分かっていましたね。あのシーンはオフサイドじゃなかったら、ビッグチャンスになっていた。他のシーンでも、イニエスタと僕のところではパス交換が上手くいっているシーンが多いです。練習のミニゲームでもイニエスタのパスから僕が点を取ることもあったので、今日は使ってもらえたと思う。得点という形でそれが出せたのは良かったですし、もっとイニエスタのパスに要求をしていきたいと思います」
 
 オフサイドになったとはいえ、イニエスタのワンタッチパスに柏の最終ラインは反応が遅れていた。味方の三原でさえ「トラップして出すと思ったんですけど、ダイレクトなんですね(笑)」と驚いており、あと一歩でビッグチャンスになっていた場面だ。
 
 名パサーの加入によって、増山の例のように、動き出しに磨きがかかる選手はもっと増えていくだろう。選手の能力も上げる"イニエスタ効果"で、神戸はより魅力的なサッカーを展開していきそうだ。

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取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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