「3回しか一緒にやってないのに…」イニエスタのパスを受けた助っ人FWウェリントンの感想は?

2018年07月23日 羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb)

「まだトップコンディションではない」イニエスタのパスを受けて…

約31分間ながら度々パスワークからチャンスを作ったイニエスタ(左)とウェリントン(右)。互いの特徴を理解できれば、より一層、恐さは増していくはずだ。 (C) Getty Images

[J1リーグ17節]神戸 0-3 湘南/7月22日/ノエスタ

 ヴィッセル神戸は、この夏に加入したアンドレス・イニエスタのJリーグにおける初陣を白星で飾ることはできなかった。

 今季最多の入場者2万6146人が詰めかけた一戦、その観衆のお目当てだったであろうイニエスタがピッチに登場したのは、2点のビハインドを負った59分だ。ついにベールを脱いだクラッキは、軽やかで、卒のないパスワークを披露して観る者を虜にした。

 ゲームのテンポを殺さない的確な散らし、さらに機を見て繰り出した絶妙なスルーパスは、「まだトップのコンディションではない」と語るイニエスタ自身の言葉とは裏腹に、クオリティーの高いものばかりだった。では、そのパスの受け手たちは、どのような印象を受けたのだろうか?
 

「彼は本当に凄いよね。グレートだ」

 そう語ったのは、イニエスタの投入直後から3トップの中央に入った神戸の助っ人FWウェリントンだ。

 2人が連係して決定機につながったのは試合終了間際の89分。スペースへ走り込んだウェリントンへ針の穴を通すようなスルーパスをイニエスタが供給した。惜しくもブラジル人FWのシュートは枠を捉え切れなかったが、可能性を感じさせたシーンであった。

 5日前に来日し、全体練習に参加したのは2日のみと直前の合流だったのにもかかわらず、違いを生み出したスペインの巨星の凄みをウェリントンは次のように話す。

「だって、僕らはまだ3回しか(一緒に)トレーニングをしていないんだ。それなのにあれだけ動けて凄いよね。時間があればもっともっと良くなっていくに違いない。何よりも、彼がボールを持っているときは、湘南も恐かったと思うよ」

「神戸の未来は明るいね」と0-3で負けたとは思えないようなポジティブさに満ち溢れた表情で語るウェリントンは、さらにイニエスタがもたらす影響力についても口を開いた。

「間違いなく大きな影響を与えるよ。それは僕らのチームにもそうだし、Jリーグひいては日本サッカー全体にかなり良いものを与えてくれると思う」

 最後に「彼はとてもベターだ」と結んだウェリントン。その声はワールドクラスのテクニシャンとプレーできる高揚感でトーンが上がり、そして、その目はそんなイニエスタのパスからゴールを量産する未来を見据えていた。

取材・文●羽澄凜太郎(サッカーダイジェストWeb編集部)
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