クロアチア代表がまさかのフェイクニュース被害!「W杯賞金を全額寄付」の一報を連盟が全面否定

2018年07月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

「寄付するという事実はない」とスポークスマンが否定

フランスとの決勝戦では2得点を奪った”バルカンの雄”たち。世界中からの関心も大きかったため、拡散も早かった。(C)Getty Images

 ロシア・ワールドカップでは、決勝で惜しくもフランスに敗れたが、史上初の準優勝を飾ったクロアチア代表。新たな歴史を作り、いまだ世界中のメディアから関心を寄せられるバルカンの雄に、よもやのフェイクニュースが降りかかった。

「クロアチアがワールドカップで得た賞金をすべて寄付する」というニュースが出回り始めたのが7月18日頃。発端は、ズラトコ・ダリッチ監督がSNSで発信したというメッセージだった。その内容は、「クロアチア代表はワールドカップ準優勝で得た2350万ユーロ(約31億円)の賞金を、貧しい子どもたちのために慈善団体に寄付することを決めた」というものだ。

 このメッセージを拡散した『SPORTbible』は、数千件の「いいね」を集めた。ほかにもドイツの『T-ONline』など世界のメディアがこの情報を大きく取り上げ、一気に広がった。ユーザーからは「素晴らしいことだ」「彼らはほんとうに人格者」などの称賛が殺到したのだ。
 
 ところが、世界中で多くの共感を集めたこの一報が、実はフェイクニュースだったことが明らかになった。

 該当の報道について、クロアチアの公共放送『HTV』は、クロアチアサッカー連盟のスポークスマン、トミスラブ・パッファク氏にインタビューを敢行。氏は「あの投稿はダリッチ監督が発信したように見せかけた、間違った情報です。彼はこの文章を発信した著者ではありません」と明確に否定した。メッセージはダリッチ監督を装った偽アカウントから発信されたもので、本人が書いたものではない。つまり、代表チームが寄付をするという話は事実とは異なるということだ。

 現時点でクロアチア代表のダリッチ監督および選手はこの件に関して声明は発表していない。同国のポータルサイト『total croatia news』は「ニュースを聞いたすべての人びとの心を傷つけて申し訳ない。あれは真実ではなかった」と綴っている。
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