名古屋はなぜ勝てない? リーグ再開初戦で風間八宏監督と佐藤寿人が語った課題と収穫

2018年07月20日 本田健介(サッカーダイジェスト)

ポゼッション率では上回るも…

リーグ再開初戦で浦和に敗れた名古屋。選手たちは肩を落とした。(C)SOCCER DIGEST

 良い意味でも、悪い意味でも"らしさ"が表われていた。
 
 中断明けの一戦での名古屋のパフォーマンスのことだ。敵地・埼玉スタジアムに乗り込んだ浦和とのゲームは、CKから3失点。1-3で敗れ、14戦未勝利となった。もっとも序盤から持ち前のパスサッカーを展開。風間八宏監督もチームのパフォーマンスを評価する。

 
「今日はふたつあります。ひとつは我々の姿が戻って来たなという確信。それと、ほとんどの時間を自分たちでコントロールしながら悪い時間にミスを含めて(点を)取られてしまった。やっぱり90分を続けるのは非常に難しいということ」
 
 15試合を終えてわずか3勝。リーグワーストの失点数を数え、最下位でロシア・ワールドカップによる中断期間に入った名古屋は、柏の中谷進之介、川崎のエドゥアルド・ネット、FC東京の丸山祐市を獲得する積極的な補強(7月19日には松本の前田直輝も獲得)を見せた。ただ一方で、チームスタイルは崩さず、ボールを大切にする"風間流"のブラッシュアップを図ってきた。
 
 現に浦和戦では、豪快なミドルで一矢報いたガブリエル・シャビエルも「失っていた自信を取り戻せつつある」と、リーグ再開に向けて明るい表情を見せていた。
 
「中断期間でのトレーニングの成果は浦和戦で現われたのか?」試合後に風間監督に質問をぶつけても、こう答えが返ってきた。
 
「(成果は)感じていますね。90分ではまだまだですが、自分たちが自信を持ってボールを保持しながら、また相手を見ながらサッカーができたとは思います。全体の守備としても何回か危ないところもありましたが、多少良くなってきたと感じました」
 
 指揮官の言葉通り、ポゼッション率で相手を大きく上回り、個々の技術力の高さも光った。80分から途中出場したキャプテンの佐藤寿人も「セットプレーからやられましたが、自分たちが悪いサッカーをしていたかと言われれば、決してそうではなかった」と、一定の手応えを口にした。目指すスタイル、そしてそれをぶれずに追求する強い覚悟は感じられたゲームであった。
 
 しかし、だ。ボールを回せど、縦へのくさびが通る回数は少なく、ゴールは遠い。選手間の距離は良かったものの、攻撃は中央に寄りがちで、浦和の堅い守備ブロックに撥ね返された。明確な目標はあるが、道半ば、それが名古屋の現状なのだろう。

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