「首脳陣にリーダーシップがなかった」 “伝説の主将”ラームが母国ドイツ代表をバッサリ!

2018年07月17日 サッカーダイジェストWeb編集部

「チームとして戦う体制が整っていなかった」

14年大会で獲得したトロフィーを返還するため、決勝戦のセレモニーに登場したラーム。新たな王者の誕生をスタンドで見守った心境は……。 (C) Getty Images

 ロシア・ワールドカップの決勝戦で、黄金のトロフィーを返還する役割を果たしたドイツの"伝説的主将"フィリップ・ラーム。今大会、アンバサダーとしてドイツ代表に帯同したが、グループリーグで敗退した同チームに対する懸念と現体制への批判を、自身のSNSに投稿した。

「新世代のドイツ代表選手たちを成功に導きたいのであれば、体制を変えていくべきだ。2014年に優勝した選手たちと今の選手たちでは、生い立ちから違う。別物だ。首脳陣は、過去の成功に基づく体験からは一度離れて考える必要がある。

 我々の世代は、トレーニングセンターと自宅を行き来しながら育った。家族と過ごし、世間を見渡す視野や人間性が育まれた。しかし現在の若者は、トレーニングセンターが生活の全てだ。そういった環境では、成果を出すために個々の目的を優先し、必然的にエゴイストに成長すると考えられる。結果、チームプレーが疎かになりがちな傾向にあると思う」

 ただし、個人の目標に意識がいくこと自体が最大の問題になるわけではなく、あくまで「監督やマネジメント側が上手に対処していくことが重要」と指摘している。

 「こうした若い有能な選手たちをまとめるためには、以前よりも厳しいリーダーシップが必要だ。上下関係を明確にし、チームの決定は誰から下されるのか、分かりやすく共有できる環境を作らなければならない。ロシアでのチームには、リーダーシップが欠けていたように思う。今のままでは、チームとは呼べない」

 現代表監督のヨアヒム・レーブは、すでに続投が発表されている。ドイツ国内でも賛否両論が噴出しているが、ラームは決して悲観しているわけではない。

「レーブ監督が新たな世代と再び成功するため、改革が行なわれるのなら、ドイツ代表の未来は明るいと思っている」

 元主将の愛ある"ダメ出し"は、ドイツの首脳陣に届くのだろうか。
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