「もっと上手くなりたい!」 あのペレに近づいた“神童”エムバペ、活躍の秘訣は尽きぬ向上心【ロシアW杯】

2018年07月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「国のみんなが少しでも問題を忘れてくれたら…」

キャリア初のW杯で、頂点に立ったエムバペ。その完璧すぎる戴冠劇に笑みがこぼれたが、試合後は自国民へメッセージを送った。 (C) Getty Images

【7月11日・ルジニキ|決勝 クロアチア 2-4 フランス】

 フランス・サッカー界期待のヤングスターが、一大決戦でその真価を発揮した。

 3-1で迎えた65分、フランス代表FWのキリアン・エムバペは、ポール・ポグバからペナルティーアーク付近でボールを受けると、右足を一閃! クロアチアの守護神ダニエル・スバシッチの牙城を崩し、トドメの4点目を挙げた。

 フランスに2度目のW杯をもたらした若き韋駄天は、1982年スペイン大会のイタリア代表DFジュゼッペ・ベルゴミ(18歳201日)、1958年スウェーデン大会のブラジル代表FWペレ(17歳249日)に次ぐ、史上3番目に若い決勝戦出場者となり、さらにペレに次いで2番目に若いファイナル・スコアラーとなった。

 背番号10を託され、その期待に違わぬパフォーマンスを披露したエムバペは、FIFA(国際サッカー連盟)が選ぶ「ヤングプレーヤーアワード(最優秀若手選手賞)」に選出された。

 試合後、メディアの取材に応じた"神童"は、初の世界制覇に「本当に幸せ」と喜びを爆発させている。

「幸せすぎるよ。チームで何かを成し遂げたいとずっと思っていたからね。本当に長い道のりだったけど、それに見合うだけの価値を得られて良かった。フランス国民を幸せにできることを誇りに思う。みんなが、それぞれ抱えているあらゆる問題を少しでも忘れてくれたら嬉しい。そのために全力を尽くたし、そのためにフットボールをやっているんだ」

 19歳とは思えない殊勝なコメントを残したエムバペ。わずか数年のプロキャリアで、早くも誰もが羨む栄冠を手にしたが、現状に満足するつもりはない。

「この夏は、世界王者になれた喜びに浸ろうかと思う。だけどこの先、もっと上手くなりたいし、もっとチームを良くしていきたい」

 ロシアを舞台に、世界を驚かせたスーパースター候補、キリアン・エムバペ。早くも未来へ照準を合わせる飽くなき向上心こそ、活躍の秘訣なのだろう。
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