「カネの無駄遣いだ!」ユーベ親会社の社員たちがクリロナ獲得に怒りのストライキ!

2018年07月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

「これが正しい行為なのか? 家族が苦しんでいるのに…」

ユーベとセリエAにとってはスーパースターの到来は喜ばしい限りだが、フィアットの社員には歓迎されなかったようだ。(C)Getty Images

 クリスチアーノ・ロナウドのユベントス移籍は世界中のサッカーファンに衝撃を与えたが、思いもよらぬところに巨大な余波を生んでいる。
 
 ユーベの親会社はイタリアの世界的自動車メーカー『フィアット』だ。いまやフェラーリ、アルファロメオ、マセラティ、クライスラーなど名だたるブランドを一括に有する、イタリアを代表する大企業である。
 
 今回、C・ロナウド入団の一報を受けて、全世界で20万人を超える社員や労働者で組織される組合「ウニオーネ・シンジカーレ・ディ・バーセ」(USB)が声明文を発表。「会社による一連の行為に異議を唱えるため、7月15日から17日まで全面ストライキに突入する」と、一部工場での作業停止を示唆したのだ。

 
 ユーベがレアル・マドリーに支払った違約金は総額で1億1700万ユーロ(約153億円)に達すると言われており、C・ロナウドの年俸は3000万ユーロ(約39億円)。USBは同社の経営者でユーベのオーナーでもあるアニエッリ家に対して、会社の業績と社員の現状に見合わない不誠実な出費だと主張している。近年、ユーベでは大物選手の獲得が繰り返されているが、ついに堪忍袋の緒が切れたといったところだろう。声明文は怒りに満ちている。
 
「過去何年にも渡って我々は待遇の改善を求めてきた。そんななか、会社はまたしてもひとりのフットボーラーの獲得に億が付くユーロを費やしている。とうてい受け入れられない。社員と家族はきつくベルトを締め付けられても耐えているというのに、会社は人的資源の投資にどんどんカネを無駄遣いしている。これが正しい行為なのか? 数千の家族が苦しい生活を強いられているのに、ひとりの人物が数千万ユーロも稼ぐのが正しい扱いなのか?」
 
 大手会計事務所『デロイト』社が集計したデータによると、ユーベの2016-17シーズンにおける収益は4億570万ユーロ(約528億円)とかなり優秀で、全フットボールクラブのなかでも10位の数値だった。新スタジアム完成以降は右肩上がりの業績で、アニエッリ家にしてみれば収支に見合った投資と言いたいところだが……労働組合はそう受け取らない。
 
 

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