クロアチア代表に衝撃! 主軸CBが政治的メッセージを発信する軽率な行動で…【ロシアW杯】

2018年07月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

ロシア戦後に「ウクライナに栄光を」と発信

本意ではなかったとしても、ヴィーダの行動は軽率だったと言わざるを得ない。(C)Getty Images

 喜びのあまりに取った軽率な行動が、大問題に発展してしまった。
 
 現地時間7月7日に行なわれたロシア・ワールドカップ準々決勝、ロシアvsクロアチア戦は激闘の末に後者がPK戦を制し、20年ぶりのベスト4進出を決めた。その壮絶戦の延長前半11分、豪快ヘッドでクロアチアの2点目を挙げたのが守備の要人、ドマゴイ・ヴィーダだ。
 
 奮迅のパフォーマンスで祖国の勝利に貢献したヴィーダだったが、試合後の振る舞いがいだだけなかった。クロアチア代表のスタッフで、元代表MFのオグニェン・ヴコイェビッチとロッカールームでとある動画を撮影。これを受け取ったのは、ウクライナ人ジャーナリストのアンドレイ・シャコフ氏で、彼が自身のFacebook上でこれを公開すると、大きな反響を呼んでしまったのだ。

 
 ヴィーダとヴコイェビッチはかつてウクライナの名門、ディナモ・キエフでともにプレーした間柄で、後者は現在ディナモでスカウト担当も兼務している。ヴィーダは動画上で「グローリー・トゥ・ウクライナ(ウクライナに栄光を)」とのメッセージを発したが、これはウクライナ国内における反ロシア活動のスローガンになっている言葉。さらにヴコイェビッチは「この(ロシア戦の)勝利をディナモとウクライナに捧げる」と言い放ったのだ。
 
 2014年のロシア軍のクリミア侵攻により、ロシアとウクライナの両国は長らく緊張関係にある。この投稿を見たロシア人ファンは総出で両者の言動を批判し、モスクワの中心街では反クロアチアのチャントが歌われたという。
 
 選手や団体による政治的アクションを禁じているFIFA(国際サッカー連盟)は当然、これを問題視。クロアチア・サッカー協会とヴィーダらに厳重注意をしたという。現時点でさらなるお咎めはない模様だが、もしFIFAの規定に抵触したとジャッジされれば、ヴィーダには「2試合の出場停止」と「最低5000スイスフラン(約56万円)」の罰金が科される。つまりイングランドとの準決勝のみならず、勝ち進んだとしても決勝に出場できなくなってしまうのだ。クロアチア代表にとっても痛恨だろう。
 
 

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