【コロンビア 1(3PK4)1 イングランド|W杯選手採点&寸評】「負の歴史」を終わらせた守護神が最高殊勲者に!

2018年07月04日 内藤秀明・サッカーダイジェストWeb編集部

課題と疲労を残す8強入りに…

(C) SOCCER DIGEST

イングランド・チーム採点 6
過去のW杯におけるPK戦3戦全敗という、ネガティブな歴史を変えた点は素晴らしい。ただし、チームとして良かったかといわれると、評価に悩むところ……。これまで同様に3-1-4-2で試合に臨んだが、コロンビアが仕掛けたキンテーロのマンマークによるヘンダーソン潰しに対し、対抗策を明確に表現できず、攻撃は停滞した。PKから先制した1点も守り切れず、延長戦へ突入することに。最終的に勝利を収めたが、課題と疲労を残すベスト8進出になってしまった。
 
イングランド選手採点
GK
☆MAN OF THE MATCH
1 ジョーダン・ピックフォード 7.5
後半アディショナルタイムにはウリベの強烈ミドルをスーパーセーブするなど、質の高いセービングを見せた。結果的にその直後のCKから失点を喫したが、ピックフォードの責任ではない。何より、延長終了後のPK戦でバッカのシュートを止めてイングランドをベスト8に導いた。この試合の最高殊勲者だ。
 
DF
2 カイル・ウォーカー 6.5(113分OUT)
一度低い位置でボールロストするなど、危ういシーンも見せたが、出場時間のほぼ全ての時間で安定した守備を披露。スピードとパワー兼備のフィジカルを活かしたディフェンスは、今大会でもトップクラスだ。
 
5 ジョン・ストーンズ 6
コロンビアの前線プレスがはまっている状態で、それをすり抜けるために、何度か中盤の位置でボールをもらおうと試みるなど、試行錯誤は垣間見えたが、効果的なプレーは少なかった。彼だけの責任ではないが、組み立て不全を解決できなかった。
 
6 ハリー・マグワイア 6
組み立てでは、ファルカオによってコースを限定されてしまい、左サイドに追い込まれ、コロンビアのプレスをうまく掻い潜れなかった。ただ、守備では大きなミスはなく、セットプレーでは常に脅威であり続けた。
 
MF
8 ジョーダン・ヘンダーソン 5
キンテーロのマンマークに苦しみ、組み立ての起点になることができず、攻撃を停滞させた。また失点シーンでは、ミナのマークをあっさり外してしまい、PK戦では3番手を任されたが、決めることができなかった。今のイングランドにおいては欠かせない選手であり、信頼は揺るがないだろうが、この日に限ってはチームの足を引っ張ってしまった。
 
12 キーラン・トリッピアー 6.5
低い位置ではコロンビアの整備されたプレスに苦しむも、高い位置でボールを持てば、アリへの飛び出しやセットプレーにおけるマグワイアの空中戦に、精度の高いクロスを供給。そして4番手を任されたPK戦でも、持ち前のキック精度の高さを披露した。
 
7 ジェシー・リンガード 6.5
イングランドの攻撃的なサッカーを支える要のうちのひとりだ。ヘンダーソンが組み立ての起点になれないなか、低い位置に下がってボールを引き出し、展開してボックス内にも顔を出すなど、縦横無尽に走り続けた。
 
20 デル・アリ 6(81分OUT)
組み立てが機能不全を起こしていたこともあり、高い位置でボールを受けることができず、自身の良さを発揮することができない一戦となった。63分に一度だけ、トリッピアーのクロスに抜群のタイミングで飛び出したが、ヘッドで放ったシュートを枠内に飛ばすことはできず。
 
18 アシュリー・ヤング 5.5(102分OUT)
コロンビアの追い込みの前に、プレスの網にまんまとはまって抜け出せず……。組み立てでも効果的なボールを前線に供給できず、ドリブル突破などを見せることもできなかった。

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