「そこから目を背けたらダメ」。長友佑都が危機感を募らせた“ある現実”

2018年07月04日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「自分たちの実力はベスト16にも及ばない」

その現実に長友はどう立ち向かうか。写真:Getty Images

 ベルギーを追い詰めた日本の戦いぶりを称賛する声は多い。確かに今大会の優勝候補を相手に一時は2-0とリードし冷や汗をかかせたのは事実だ。しかし、一方で結局は負けている事実もまた見逃せない。
 
 ベルギー戦だけではない。2-2で引き分けたセネガル戦、0-1で敗れたポーランド戦も、"11対11"の勝負では未勝利に終わっているのだ。唯一白星を飾ったコロンビア戦もほぼ"10対11"の戦いだった。
 
 この現実をどう受け止めているのか。そう長友佑都に質問すると、鋭い視線を返してきた。
 
「まさしくその通りですね。11対11では勝っていなくて、ベスト16に進んでベルギー戦で良い試合をしたかもしれないけど、結局自分たちの実力はまだベスト16にも及ばないなというのは正直あります。勝ってないしね」
 
 それなりに戦えた手応えはある。しかし、「そこから目を背けてはダメ」と長友は主張した。
 
「選手も、もちろん監督もそうだし、日本サッカー界すべての人たちが、そこから目を背けたらダメだなと思います。4年後に向けてもうスタートしているわけで、今回出た課題をどうつなげていくか。それを真剣に一人ひとりが考えないと。それはトップ(A代表)だけじゃなくて。そうじゃないとこのままでは進歩はないかなと思います」
 
 ベスト16進出という歓喜の裏に潜む課題とどう向き合うか。「4年後も見据える」という長友がここからどんな進歩を遂げるのか見届けたい。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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