日本代表は強国ベルギーをいかにして追い詰めたのか。データが示す圧巻のパフォーマンス【ロシアW杯】

2018年07月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

圧倒的なのがヴィツェル、走行距離は香川がトップ!

今大会で初めてフル出場した香川(中央)が出色の数値をマーク。力強く日本攻撃陣を牽引した。(C)Getty Images

 世紀のアップセットをあと一歩のところで成就できず、日本代表は8強の壁を突き崩せなかった。だがそれでも、世界中のファンやメディアがそのベルギー戦での戦いぶりを、日本らしさを貫いての大健闘に賛辞の声を寄せている。
 
 FIFA(国際サッカー連盟)が示したゲームスタッツを見比べても、西野ジャパンのハイパフォーマンスが垣間見え、加えて、ベルギーの本気をいかに引き出していたかが分かる。
 
 チーム全体での数値からチェックしていこう(すべて日本から見ての対比)。ボールポゼッションは44%対56%とそれなりに水を開けられた。パス総数が453本対621本、成功本数が374本対540本で、パス成功率が83%対87%とこちらも力関係を考えれば致し方ないところ。ただ、シュート本数11本対24本に対して、枠内本数は4本対8本。つまり日本は5割の決定率を誇ったことになる。

 
 さらにボールへの執着心と球際の激しさも尋常ではなかった。ボール奪取回数はベルギーの28回を大幅に上回る40回で、タックル成功数は日本から見て8回対2回、シュートブロック数は6回対3回、クリアボールに至っては39本対12本となった。ギリギリのハイレベルな攻防で、日本の選手たちは集中力を切らさず的確に対応していたのだ。
 
 スプリント回数でも380回対333回でベルギーを圧倒し、1選手あたりのトップスピードが時速28.91kmに対して敵は28.84km。同じく走行距離の平均値も10.511km対10.402kmと、わずかながら"走り勝って"いる。
 
 個人別で見ると、ベルギーの本気度が透けて見える。3連勝を飾ったグループリーグで10km以上を走破した選手は1試合で2名以下だったが、日本戦ではアクセル・ヴィツェル(11.015km)を筆頭に4選手がマークした。とはいえ日本はその上を行く。走行距離トップの香川真司(12.047km)、長友佑都(11.504km)、乾貴士(10.417km)ら6選手が10km超えを果たしている。日本のこの結果も、グループリーグを上回るものだった。
 
 パス成功率(GKを除く)では、ヴィツェルの97%が図抜け、ヴァンサン・コンパニが93%、原口と長谷部誠が91%、トビー・アルデルワイレルドが90%と続いた。グループリグでの精度を考えればやや低めで、ともに相手攻撃陣に対してどれだけ厳しいチェックを繰り返していたのが分かる。
 

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