「セネガルにはあまり同情を感じない」英国人の元レフェリーが日本の作戦を擁護

2018年06月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

フェアプレーポイントは良い効果をもたらしている。

日本よりイエローカードの数が2枚多かったことで、セネガルはグループリーグ敗退を余儀なくされた。(C)Getty Images

 リスクを負わず、他力に頼った日本代表の作戦は、世界中で議論を呼んでいる。

 6月28日のロシア・ワールドカップ、グループH最終戦で、日本はポーランドに0-1と敗れながら、決勝トーナメント進出を果たした。

 後半に先制を許した日本は当初、乾貴士を投入して同点を目指した。だが、他会場でコロンビアが先制。勝点、得失点差、総得点で並ぶセネガルにフェアプレーポイントで上回ることを知ると、日本は攻撃を放棄して"逃げ切り"を図った。

 この日本の姿勢には、一部から非難の声が上がった。新たに導入されたフェアプレーポイントの是非も問われている。
 
 だが、元レフェリーのキース・ハケット氏は英紙『Telegraph』で、「ワールドカップでグループリーグ突破の行方がイエローとレッドのカード数で決まるのは素晴らしいこと」と主張した。

「物議を醸しているのは知っている。だが、私はセネガルにあまり同情を感じない。監督は大会前からこれがあり得ると知っており、適切に選手たちへの指示を出しておくべきだったからだ」

 またハケット氏は、「もっと大きな見方をすべきだ。フェアプレーポイントは良い効果をもたらしている。ユーロやワールドカップでは普通、1試合あたりに提示されるイエローカードの平均枚数は5枚なんだ」と続けた。

「だが、グループリーグの全48試合を終えて、イエローカードが153枚、レッドカードが3枚だ。つまり、平均でイエローカードが3.19枚、レッドカードは0.06枚しかない。これは大きな改善だよ」

 ハケット氏は、「その点では良かった。ただ、今大会では本当に審判たちがうまくマネジメントしていると思う。効果的だった」と、審判団のパフォーマンスも評価すべきと述べた。

「あまりに自由に審判がカードを見せびらかすような大会もあったりするが、今大会は審判団が試合をコントロールし、カードをポケットにしまったままにしている」

 ただ日本が選んだやり方に、厳しい声があがっているのも事実。日本はベルギーとの決勝トーナメント1回戦で、イメージを覆すことができるだろうか。
 
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