「フットボールは時に残酷で不公平…」「これも人生」逆転敗退にセネガルで広がる無念の声【ロシアW杯】

2018年06月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

あのカリスマ指揮官は「これもサッカー」。

試合後、日本の結果を聞いたセネガルの選手たちは一様に、ショックを隠し切れない様子だった。 (C) Getty Images

【6月28日・サマラ|グループH セネガル0-1コロンビア】

 日本がポーランドと接戦を演じている裏で、セネガルは焦っていた。

 猛攻を続けながらコロンビアの守備を崩せないセネガルは、74分にCKからジェリー・ミナにシュートを許して失点。この時点で、フェアプレーポイントの差で日本を下回って3位に転落した。それを知ってか、"ラテンガのライオン(セネガルの愛称)"は焦ったように攻め立てたが、ゴールネットを揺らすことなく、タイムアップの瞬間を迎えた。

 アフリカ勢で唯一の決勝トーナメント進出の希望を託されながら、史上初めて警告の回数でグループリーグ敗退となったセネガル。試合後の会見で、カリスマ指揮官のアリウ・シセは、「これもサッカーだ」と肩を落とした。

「これはサッカーのルールだから、何とも言えないよ。日本よりも多くのカードを受けてしまった我々には、次に進む資格がないんだ。当然、残念でならないし、敗退するにしても、違う形が良かった。だが、FIFAが制定したルールで、どの国の選手たちも知っていることだ。これも人生だと受け入れるしかない。私は今回、選手たちと一緒に戦えたことを誇らしく思うし、セネガルは本当に献身的なサッカーをしていた。それだけに無念でならない……」

 42歳のカリスマ監督同様、地元メディア『SENEGO』も、"フェアプレー"で敗退したことを嘆いている。「セネガルはイエローカードで敗退した最初のチームに…」と銘打ったマッチサマリー内で、次のように続けている。

「我々は6人、日本のサムライは4人、このイエローカードを受けた人数が全てを決めた。こういう形でW杯から敗退するチームが出るのは、もちろん史上初だ。ただ、ライオンたちはコロンビアに勝っていれば良かったわけで、自分たちを責めることしかできない」

 また元セネガル代表DFで、マルセイユやニューカッスルで活躍したハビブ・ベイェ氏は、自身のツイッターを更新し、「私のセネガルはライオンのままだ」と後輩たちの健闘を称えながら、次のように慰めの言葉を贈った。

「フットボールとは、時に美しく、時に残酷で不公平なものだ。残念でならないが、この現実を受け入れるしかない」

 大会初戦でポーランドを破るなど、ダークホースっぷりをいかんなく発揮し、対戦相手に大きな脅威を感じさせたセネガル。この敗戦を糧に、4年後のカタール大会に向けて、さらなる成長を遂げてもらいたいものだ。
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