「地獄からの脱出」「叫ばずにいられない」 アルゼンチンの奇跡の16強入りに母国も歓喜!【ロシアW杯】

2018年06月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

劇的勝利に全国紙は大興奮!

決勝ゴール後、ロホは全選手たちにもみくちゃに。それほど感情が高ぶる一撃だった。 (C) Getty Images

【6月26日・サンクトペテルブルク|グループD  アルゼンチン 2-1 ナイジェリア】

 窮地に追い込まれたアルゼンチンだったが、土壇場で死地から這い上がった!

 2002年日韓大会以来のグループリーグ敗退の危機にあったアルゼンチンは、14分に大黒柱のリオネル・メッシの鮮やかなゴールで先制するも、後半開始早々51分にハビエル・マスチェラーノがPKを献上。それをヴィクター・モーゼスにねじ込まれて同点とされた。

 その後は、焦りから本来の華麗な攻撃ができなくなったアルゼンチン。対するナイジェリアは、引き分けでも突破が決まるため、精神的に余裕があり、相手の力任せな攻めを冷静にかわしていった。

 刻一刻と時間が過ぎるなかで、追い詰められていくアルゼンチンに歓喜の瞬間が訪れたのは、86分だった。右サイドを突破したガブリエル・メルカドの絶妙なクロスボールに、攻め上がっていたCBのマルコス・ロホがボレーで合わせたのだ。

 これで勝ち越したアルゼンチンは、残り時間でナイジェリアの反撃をかわし、見事に今大会初勝利。グループ2位に浮上し、決勝トーナメント進出を決めた。

 危機的状況からの脱出劇に歓喜したのは、アルゼンチン・メディアだ。全国紙『Ole』は、「奇跡のW杯!」と大々的な見出しを打ったマッチサマリー内で、情熱的な文章を綴っている。

「叫ばずにはいられない。地獄の寸前で脱出したのだ。90分に渡ってアルゼンチンは苦しみ続けた。PKの瞬間には、夢を見続けることができないと覚悟した。ただ、我々は勝ち抜いたのだ。サンクトペテルブルクでは、レオ(メッシ)も、ディエゴ(マラドーナ)も、観客も、そして我々メディアも全員が叫んだ。

 時に勇気は、結果に結びつかない時がある。しかし、今夜はロホの果敢な攻め上がりが全てを与えてくれた。彼の決断とアイデアがなければ、我々がこうして叫ぶことはできなかった」

 また、同じくアルゼンチンの有力紙『La Nacion』は、「ラスト5分で歓喜! 苦しみ抜いた末に生き残った」と題し、値千金の勝ち越し弾を決めたマルコス・ロホについては、「直前にハンドを疑われ、PKを与えてしまいそうになった男が試合を決定付けた」と記した。

 土俵際まで追い詰められながらも、何とか持ちこたえたアルゼンチン。勝ち上がった決勝トーナメントでは、いきなりフランスとのビッグマッチを迎えるが、この勢いを勝利に結びつけられるか!? 今大会屈指の好カードの行方に注目だ。
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