【スペイン2‐2モロッコ|採点&寸評】モロッコの闘志に手を焼いたスペイン、首位通過を決めながらも採点は軒並み低調

2018年06月26日 吉田治良

スペイン――棚ぼたのグループ首位通過も後味の悪さが。

(C)SOCCER DIGEST

[ロシアW杯グループB]スペイン 2-2 モロッコ/6月25日/カザン・アレーナ(カザン)

【スペイン|採点・寸評】
チーム 5.5

緊張感のないまま試合に入り、ミスから先制を許す最悪の立ち上がり。その後も、すでにグループリーグ敗退が決まっていたモロッコの、意外なアグレッシブさに手を焼いた。81分にCKから失点し、1-2とされた時点では敗戦も覚悟しただろう。アディショナルタイムのアスパスの同点ゴールを認めたVAR判定と、ポルトガルと引き分けたイランの健闘に救われて棚ぼたのグループ首位通過も、後味の悪さばかりが残った。

[GK]
1 ダビド・デ・ヘア 5.5

ミスからカウンターを食らった1失点目は、確かにやむを得ないとはいえ、好調時なら股間を抜かれることはなかったか。81分の失点も相手のヘディングが見事だったが、枠内シュート3本で2失点は印象が悪い。

[DF]
2 ダニエル・カルバハル 6

故障明け2戦目で、まだコンディションがパーフェクトではないのか、どこか乗り切れないイメージがあった。それでもアディショナルタイムの同点弾を演出したクロスで、帳尻は合わせたか。

3 ジェラール・ピケ 5.5
25分には相手スローインへの警戒を怠り、GKと1対1の場面を招いてしまう。正確なロングフィードで起点となり、63分にはCKからヘディングシュートを放つが、枠を捉えきれなかった。

15 セルヒオ・ラモス 5
2失点に関与。イニエスタとボールをお見合いして相手に先制ゴールを与えるきっかけを作り、81分のCKの場面ではエン=ネシリに空中戦で完全に競り負けた。開始直後からN・アムラバトの闘志に押され気味だったか。

18 ジョルディ・アルバ 5.5
持ち前の機動力で左サイドを何度か駆け上がったが、同じサイドを主戦場としたイスコにスペースを消された印象も。81分の失点につながるCKを与えたシーンでは、ボールにつられてしまった。
 
[MF]
5 セルヒオ・ブスケッツ 5.5

バランサーとしての役割は果たしたが、通算2枚目のイエローカードを恐れてか、アグレッシブさにやや欠けた。36分にCKからフリーで放ったヘディングシュートは決めたかった。

6 アンドレス・イニエスタ 6
チャレンジングな縦パスや、相手の間合いを外す巧みなボールの持ち出しはさすが。19分には左サイドをえぐってイスコの同点ゴールもアシストしたが、S・ラモスへの中途半端なパスをさらわれ、先制点を奪われた責任は免れない。

10 チアゴ・アルカンタラ 6.5(74分OUT)
長短織り交ぜたパスワークで、今大会初スタメンながら司令塔としてブスケッツ以上の存在感。右足アウトサイドでのサイドチェンジは見事で、終盤には2列目から果敢な前線への飛び出しも。最後までピッチに立たせたかった。
 

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