感動の守備をありがとう。マネ封殺の酒井宏樹はセネガル戦で最高のDFだった

2018年06月25日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

セネガル戦の守備は満点に近かった

お手本のようなタックルでマネからボールを奪う。酒井の守備は完璧に近かった。写真:JMPA代表撮影(滝川敏之)

 セネガルとの激闘のあと、右サイドバックを担った酒井宏樹は謙虚にこう語った。
 
「今日は2点を挙げてくれた攻撃陣に感謝しています。僕らは2失点をしたので、なるべく失点数を減らすことが次に向けての課題になる。より責任感を持ってディフェンスラインはやっていきたい」
 
 果たして、そうなのだろうか。少なくとも、この日の酒井のディフェンスは満点に近かった。サディオ・マネにチャンスを作られた2失点目のシーンも、それなりの対応をしていた。あれはマネの技術を褒めるべきで、酒井に落ち度があったわけではない。
 
 それよりも触れるべきは、そのマネにほとんど持ち味のスピードを出させなかった点である。絶妙な間合いを取りつつ、アタックすべきところでアタックしてボールを奪い返す。後半途中にお手本のようなスライディングタックルでマネからボールを刈り取った場面が最大のハイライトだろう。
 
 ただ、酒井はあくまで謙虚。マネとのマッチアップについて訊いても返ってくるのは"模範回答"である。
 
「リバプールでやっているほどの出し手がいないので、彼なりに苦労をしていたと思うけど、どう考えても素晴らしい選手。個人的な対応はすごく考えていましたし、たまたま上手くいった部分もあれば、まだまだの部分もあった。1対1とはそういうものなので」
 
 いやいや、セネガル戦の酒井は掛け値なしに素晴らしかった。前半3分にスライディングでシュートブロックすれば、空中戦ではかなりの確率で競り勝つ。アフリカ人特有のフィジカルにも動じることなく、むしろ互角以上に渡り合っていた。「フィジカルの部分でも全然負けていなかったですね?」と記者が問うと、酒井は少し誇らしげに言った。
 
「セネガルとの対戦はマルセイユのサポーターも見ていると思う。2年間やってきたことがこういうところで生かせたのであれば、幸せなこと」
 
 ブラジル・ワールドカップでは出番がなかったサイドバックが、4年の時を経て頼もしい姿を見せている。1得点・1アシストの乾貴士、抜群のゲームメイクだった柴崎岳、勝負強さを見せた本田圭佑が注目されがちだが、酒井の強靭かつ的確なディフェンスも称賛されるべきだ。

 だから、記しておく。感動の守備をありがとう、マネ封殺の酒井宏樹はセネガル戦で最高のDFだった、と。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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