「きわめて貧弱」「仲間同士で戦っている」メッシ&アルゼンチンの不振の陰に根深い内部分裂が…

2018年06月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

「壊れたチーム」と化したアルゼンチン

クロアチア戦で大敗を喫し、意気消沈するメッシ。フィールドから足早に去る姿が印象的だった。(C)Getty Images

 アルゼンチンがクロアチアに0-3の歴史的大敗を喫し、ロシア・ワールドカップのグループリーグ敗退が現実味を帯びてきた。下馬評で優勝候補にも推されたアルゼンチンの不振に対して、エースのリオネル・メッシへの失望感とチームへの批判が溢れている。

 英高級紙『The Independent』は、「メッシのワールドカップの夢は、アルゼンチンのもっとも悪名高い敗北のひとつに、まさしく悪夢に変わった」と銘打ち、大々的に報道。ショッキングな敗北で"沈黙"を貫いた背番号10について、「彼がやりたかったことを、クロアチアのルカ・モドリッチがすべて実現した。メッシはなにもしていない」とバッサリ。同じく英国営放送『BBC Sports』は「メッシのチームはグループリーグでワールドカップを脱出する危機に」と題し、敗退の理由に大黒柱の不振を挙げている。

 ほかにも「ゴール前で萎縮するエース」「これでもまだ期待されるほどの存在なのか?」「メッシはサポーターと旅行に行ったのか? 言い訳はもうたくさんだ」といった厳しい論調が飛び交っている。

 メッシのコンディションが上がっていないのは確かだろう。しかし今回の敗因に、アルゼンチン代表チームの内部分裂を指摘する向きもある。

 初戦でアイスランドと引き分けた直後、ディエゴ・マラドーナに名指しで準備不足を酷評されたホルヘ・サンパオリ監督は、なんとクロアチア戦後の会見で「周囲の選手がメッシのプロジェクトについて行けていない」と選手を批判したのだ。彼の試合中の采配などには国内外から疑問の声が上がっており、不信感が強まっている。

 それを伝え聞いたセルヒオ・アグエロは母国の取材クルーに向けて、戸惑いながらも「言わせておけばいい」と吐き捨てた。監督と選手の間にすきま風が吹いている、その一端を垣間見せたのだ。

 となれば、エースはますます孤立していくだろう。初戦のアイスランド戦後、チームスタッフ主催によるバーベキューパーティーに、メッシは参加しなかったという。試合当日も頭痛を訴えていたといい、調子自体が良くない可能性がある。

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