16年前の再現なるか!? セネガル代表を精鋭軍団に進化させた“国民的監督”のスゴ腕

2018年06月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ポーランド戦における真の英雄」との声も

2002年W杯では主将として望外の快進撃を支えた。指揮官となった今大会、狙うは16年前の再現だ。(C) Getty Images

 ロシア・ワールドカップのグループHで、1節を終えて日本とともに首位に立ったセネガル。初戦ではロベルト・レバンドフスキを擁するポーランドを相手に、堂々2-1の快勝を収めた。

 今大会のセネガルはランキング上位国にも引けを取らないタレント集団だ。フィールドプレーヤーの多くは欧州でプレーしており、エースのサディオ・マネ(リバプール)をはじめ、スタメンから控えまで、名のある選手が揃っている。

 そんな彼らがポーランド戦で見せた献身的かつ組織的な戦いぶりには、世界中が驚かされた。圧巻のスピードと身体能力を活かしつつもしっかりとオーガナイズされた守備は、これまでの自由奔放で、まとまりに欠ける部分もあったアフリカチームのイメージを一新されるに十分だ。

 注目の的となっているのが、セネガルを率いるアリウ・シセ監督。ドレッドヘアがトレードマークで、黒いスーツに身を包み、「今回出場する32か国の監督のなかでもっとも若く、ただひとりの黒人監督」と自負する彼を、「ポーランド戦における真の英雄」と称賛するメディアもあるほどだ。
 
 ちなみに日本のツイッター上でも、シセがポーランド戦で見せた独特のガッツポーズが話題を呼び、「イケメンすぎる」「綺麗すぎるガッツポーズ」とざわつかせている。

 実はこのシセ監督、2002年の日韓ワールドカップで大躍進したセネガル代表でキャプテンを務めていた人物だ。

 同大会でセネガルは初出場ながら、グループリーグ初戦(大会開幕戦)でジネディーヌ・ジダン擁するフランスを撃破。ウルグアイ、デンマークと同居したグループ勝ち抜き、決勝トーナメントに進出したのである。その1回戦で強国スウェーデンをも退けたが、準々決勝で惜しくもトルコに惜敗を喫した。アフリカ勢初のベスト4には届かなかったものの、その快進撃は多くのサッカーファンに鮮烈な印象を残したはずだ。

 しかし日韓大会以降、セネガルは3大会連続で予選敗退と低迷。シセ自身はプレミアリーグ、リーグ・アンでプレーした後、指導者に転身する。2013年から15年までセネガルU-23代表を率いるなど国内で経験を積み、15年にA代表監督の要職に就いたのだ。

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