「僕らは選手である前に人間」デンマーク代表、娘が生まれた仲間の飛行機代をカンパ!

2018年06月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

偉大な父を越えた守護神もチームメイトを気遣う。

ディフェンスリーダーのシュマイケル(右)を中心に団結するデンマーク。その揺るぎないチームワークが勝利を呼び込んでいるのかもしれない。 (C) Getty Images

 デンマーク代表の守護神キャスパー・シュマイケルは、偉大な父親ピーターの記録を塗り替えた。だが、当の家族はそのことにまったく気づいていなかったという。

 ロシア・ワールドカップのグループリーグ初戦で、デンマークはペルーに1-0と勝利。クリーンシートを記録したK・シュマイケルは、3月の国際親善試合から5試合連続で無失点を達成。さらに連続無失点時間を533分間として、父が持つ記録を更新した。

 だが、英紙『Guardian』によると、K・シュマイケルは、「試合が終わってから父と話したけど、僕らはどっちも(記録に)気づいていなかったよ」と明かし、重要なのはチームの結果と強調している。

「クリーンシートは誤解されやすいデータなんだ。試合での勝利につながるものだけど、5-0とリードして失点を許すことだってある。良いことではあるけど、個人的なことで、重要ではないんだ。大事なのは、試合にどれだけ勝つかだよ」

 当然、6月21日に行なわれるオーストラリア戦でも、K・シュマイケルが重視するのは、自身の記録よりチームの勝利だ。ただ、デンマークは厳しい雰囲気の中で連勝を目指さなければいけないかもしれない。

『Guardian』によると、オーストラリアのサポーターが1万2000人ほどいるのに対し、デンマークの観客は900名程度と少ない見込みだという。K・シュマイケルは、「僕らの家族にも、ロシアに来ようとしたけど、ビザや移動の問題があった人たちがいるんだ」と、少しだけ肩を落とした。
 
 家族の支えは選手にとってかけがえのないもの。だからこそ、デンマークの選手たちは、ヨナス・クヌドセンをサポートしようと決意したという。

 英国営放送『BBC』によると、デンマークの選手たちは、現地入りした後に予定より数週間早く娘が生まれたクヌドセンが子どもに会えるようにと、チームの自腹で飛行機を用意したのだ。

 K・シュマイケルは、「チームには子どもを持つ選手がたくさんいる。僕らはサッカー選手であると同時に、人間でもあるということを忘れてはいけない」と述べた。

「僕にも子どもがいる。連絡をもらってその場にいられないヨナスがどれだけつらかったが、想像もできないよ。僕たちは何としてでも彼が娘さんに会えるようにしたかったんだ」

 デンマークはその揺るぎない団結力で、勝てば決勝トーナメント進出を大きく引き寄せるオーストラリア戦をものにすることができるだろうか。
 
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