「グッドサプライズ!」「誇るべき番狂わせだ」英国人記者がコロンビア戦の西野ジャパンに感嘆!

2018年06月21日 スティーブ・マッケンジー

日本はサプライズを演じてくれた。

下馬評を覆してコロンビアを倒した日本代表。戦前、英国内でのこの一戦への注目度は決して高くなかった。(C) Getty Images

 日本代表とコロンビア代表の一戦を見終えた私の心には、4年前のブラジルでの同カードを見終えた後とは違う感情が渦巻いていた。高揚感に似たものだ。

 戦前は、どちらが勝者になるかが決まっていたようなものだった。

 日本は2か月前にヴァイッド・ハリルホジッチ監督を更迭し、昨年10月のニュージーランド戦以降、勝ったのは大会直前のパラグアイ戦のみ。一方のコロンビアは、ホセ・ペケルマン監督がこの4年でチームを熟成させ、いよいよ最盛期を迎えていた。

 そうしたチーム状況に加えて、過去にワールドカップでアジア勢が南米勢に勝ったことがないというデータも、下馬評を確固たるものにしていた。

 私の住む英国では、コロンビア有利という先入観のせいもあり、この一戦への注目度はお世辞にも高いとは言えなかった。事実、イングランドやアルゼンチン、ブラジル、ドイツといった国の試合が、キックオフの1時間前からテレビ放映が始まるのに対して、日本対コロンビア戦は30分前からのスタートだった。

 しかし日本は、甘く見ていたイギリス人の考えを改めさせた。十分なサプライズを演じてくれたのだ。

 ハリルホジッチ監督の解任もあって、腹をくくった"サムライ"はコロンビアに対して潔く戦って見せた。もちろん、開始3分で起きたカルロス・サンチェスの退場が、すべての流れを変えたのは言うまでもない。

 とはいえ、カルロス・サンチェスがハンドに至ったシーンも、大迫勇也が最前線で諦めずにボールをキープして決定機をクリエイトしたからこそ生まれたものだったし、それ以外にも日本の選手たちは球際などで気迫を前面に押し出すなど、あらゆる局面でコロンビアを凌駕していた。

 90分を通して、コロンビアが弱かったというわけではない。39分にファン・フェルナンド・キンテーロがテクニカルなFKを決めて同点とした時間帯、日本は完全に劣勢に立たされていた。

 しかし、ハーフタイム明けに日本が見違えるようにプレスを掛けられるようになったのは、おそらくボスである西野朗の"魔法の言葉"があったからだろう。後半にサムライブルーはより多くの決定機を作り、試合を優位に進めて、勝利に値するパフォーマンスを披露した。

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