「ただ1勝して、1点取っただけ」香川真司がコロンビア戦を切り捨てた理由は?

2018年06月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

「もっと勝ちたい、もっと良いサッカーしたいという気持ちが強い」

香川はコロンビア戦の先制点を「ただ1点取っただけ」と語った。(C)Getty Images

 コロンビア戦の歴史的勝利から一夜明けた20日、香川真司は冷静だった。寝つきは普段よりも「ちょっと悪かった」そうだが、勝利の興奮を抑えきれなかったわけではなく、「意外と帰ってきた時には落ち着いていた」という。
 
 香川はワールドカップの大事な初戦で、相手のハンドを誘って退場に追い込み、チームに勢いをもたらす先制PKを沈めた。しかも、自身にとってはワールドカップ初ゴールだ。節目の一発に気持ちが高ぶっていてもおかしくない。しかし、「逆に1勝しただけ」と、すでに過去のものと捉えている。本人によれば、意識的に振り返らないようにしているという。
 
「もう次に集中したいし、振り返るのはワールドカップが終わったらいくらでもできる。ただ1勝して、ただ1点取っただけ。これからさらにタフな戦いが続くし、次は11対11で戦わなきゃいけない。コロンビア相手でも11対10でこういう戦いになるってことは、やっぱりそう簡単には勝てないと改めて感じた。より自分自身にプレッシャーをかけながら、もっともっと上に行くという気持ちを出していきたい」
 
 記者から改めて「キャリアのなかでも意味のあるゴールを取れたのでは?」と話を向けられても、答は変わらない。
 
「本当にさっきも言ったけど、そこまで考えていないんですよね。そういうのは自分が引退したら感じることなのかなと。年が経ってから浸ればいいですし、今はそこまでする必要がないので、ただただこのチームとして勝ち取った勢いだったり、自信を力に変えてもっと勝ち進むことを考えたいので」
 
 それだけ勝利に飢えているということだろう。「4年前のコートジボワール戦の後のほうが……負けたのでね。あの日の夜のことのほうが非常に厳しかったので」と苦い記憶として刻まれたブラジル・ワールドカップのリベンジを果たしたい。それを目標に、「もがきながら、考えながら、苦労しながら、どうやったらこの状況を打破していけるのかを考えた」4年間がある。初戦の1勝や1得点だけで満足できるわけがない。
 
 もっとも、コロンビア戦の勝利によって、香川の内面に変化が表れているのも事実だ。それは充実感の類ではなく、次の勝利やゴールを求めるさらなる欲である。
 
「もっと勝ちたい、もっと良いサッカーしたいという気持ちが強い。この試合でも課題が出たし、セネガル対ポーランドの結果と内容を見て、彼らは非常に強いのを改めて分かった。今はそこに目を向ける。中4日しかないので、体力的には回復する時間はありますが、戦術的なところを練習する時間は少ない。しっかりと準備していきたいなと思います」
 
 そう力を込めた背番号10は、「チームとしてああいう一体感を持ちながら戦い続ける」イメージを描いている。コロンビア戦は「本当にみんながひとつになって戦えたし、それが何よりこのチームには大事だなと改めて感じられた」試合だったが、次のセネガル戦でも重視するのはチームとしてのまとまりだ。
 
 セネガルはリバプールに所属するサディオ・マネを筆頭に「本当に身体が強く、コロンビア以上に速い選手、前に強い選手、なおかつビッグクラブで経験している選手がいる非常に良いチーム」だ。ただ、香川は「良いところもあれば、必ずウィークポイントはある」と確信している。それを「しっかりチームとしても個人としてもイメージして、話し合いながらプランや戦術を立てていきたい」と短期間ですり合わせるつもりだ。
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