メッシを止めたアイスランド守護神は“二刀流”! 「12歳から没頭した」意外すぎる副職とは?

2018年06月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

「16歳から20歳まではそれしかやってない」という副職とは!?

代表GKでありながら意外な一面を持つのが、アイスランド代表守護神のハルドールソンだ。 (C) Getty Images

 6月16日、グループステージ初戦でアルゼンチンと対戦したアイスランドは、絶体絶命のピンチを迎えていた。1-1で迎えた63分、ヘルドゥル・マグヌソンがマキシミリアーノ・メサをボックス内で倒してPKを献上してしまったからだ。

 相手キッカーのリオネル・メッシがボールをセットし、誰もが失点を覚悟するなか、平常心を保っていたのは、アイスランドの守護神ハンネス・ハルドールソンだった。そして34歳のベテランGKは、メッシが左へと蹴り込んだシュートを横っ飛びでセーブしてみせたのだ。

 チームを死地から救い出したハルドールソンの活躍もあり、何とか引き分けに持ち込んだアイスランドは、初出場のW杯で早くも初の勝点をゲットした。

 文字通りの壁となって歴史的瞬間を母国にもたらし、国際サッカー連盟(FIFA)によるマン・オブ・ザ・マッチにも選定されたハルドールソンは、試合後、PKストップについて、「メッシのPKは何回も映像で見てきたから、どこに蹴るかは分かっていた」と事前の準備があったことを明かした。

 一躍、英雄となったハルドールソンだが、実は彼、ピッチの外では別の顔を持っている。驚くべきことに、その副職は映像ディレクター。意外すぎる一面と言えるが、その活動歴は長い。スペイン紙『Marca』で、ハルドールソンは次のように告白している。

「僕はショートムービーを作ることに青春を費やした。12歳から始めて、16歳から20歳までは、それしかやってないと言えるぐらい、のめり込んだんだ」

 普段はデンマークのラナースでプレーするハルドールソンだが、決して趣味の一環としてやっているわけではなく、映像制作においても優秀な実績を残している。今年6月には、アイスランドが初のW杯に挑むことを祝し、国内で流されたコカ・コーラ社のテレビCMを制作し、大きな反響を集めた。

 このメイキング映像のなかで、ハルドーソンは、代表GKでありながら兼業する理由を明かしている。

「サッカー選手と映像作品の両方をやることは普通じゃない。変だってことは理解してるよ。でも、作品を作ることは、サッカー選手としてのキャリアが始まる前から、僕にとって人生の情熱だったんだ。サッカーと映像制作のどちらでもプロとして活躍できるのは、本当に幸運だと思っている。一つの仕事に集中しすぎるより、どちらの仕事も高め合える方が、自分には向いている」

"二足のわらじ"を履く守護神の活躍によって、アルゼンチンの猛攻を凌いだアイスランド。その堅守と忍耐力は、6月22日のナイジェリア戦でも、観る者の心を打つことだろう。

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