「サッカーはこういうもの。あれはミスだ」自身の過失を認めたデ・ヘア。モウリーニョも教え子にエール

2018年06月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

自身のツイッターで「成功を学ぶにはまず失敗を学ばなければ」

前半終了間際にC・ロナウドが放った左足シュートを名手デ・ヘアが後逸。「キャッチ」ではなく「弾く」というプレーをチョイスしていれば…。(C)Getty Images

 スペイン代表は6月15日、ロシア・ワールドカップ(W杯)初戦でポルトガルと3-3で引き分けた。1点リードで迎えた終了間際に失点し、勝利を逃したのは痛手だが、グループBの最大のライバルと目されるポルトガル相手に勝点1を手にしたのは、悪くないスタートと言えるだろう。

 開幕前日の監督解任という衝撃に包まれたスペインにとっては、難しい試合だった。混乱と動揺が懸念される中、開始早々に失点。一旦は同点に追いついたものの、前半終了間際に守護神ダビド・デ・ヘアがクリスチアーノ・ロナウドのシュートを止めきれず、ふたたび勝ち越しを許した。
 
 C・ロナウドのシュートは強烈だったが、世界のトップクラスと評されるデ・ヘアだけに、防げたはずとの見方は少なくない。スペイン紙『Marca』によると、デ・ヘア自身も試合後に、「サッカーはこういうものだ。あり得ることだよ。あれはミスだ」と、自身の失態を認めている。

 そのうえでデ・ヘアは、「監督やチームメイトが支えてくれる」と、ミスを引きずることなく、チームと一緒に前進を続けるのみと強調した。

「監督もチームも一緒にいてくれる。僕は冷静だよ。こういうミスはあり得るんだ。難しいボールだった。練習を続け、うまくやりたい。イランとの重要な試合が控えている。勝てば決勝トーナメント進出に向けて大きな前進となるゲームだ。僕らは引き分けたのであり、負けてはいない。相手のポルトガルは素晴らしいチームだった」

 さらにデ・ヘアは、その後ツイッターで、「成功を学ぶにはまず失敗を学ばなければいけない。続けていこう」と、改めて「気持ちを切り替える」とつぶやいた。

 所属するマンチェスター・ユナイテッドのジョゼ・モウリーニョ監督も、デ・ヘアを擁護している。「彼は私の選手だ。言うのは辛いが、彼もあれがミスだと分かっているだろう」と、ミスだったことを指摘しつつ、クラブでデ・ヘアが安定して好パフォーマンスを見せてきたことを強調した。

「我々ユナイテッドではしないミスだった。彼は素晴らしいパフォーマンスを続け、ウチの年間ベストプレーヤーに選ばれているのだからね。でも、ベストの選手にもこういうことはあるんだ。そういう選手たちの良いところは、次の試合で恐れを抱かず、自信をもって臨み、チームを助ける用意ができることだよ」

 20日に行なわれるイランとの第2戦で、デ・ヘアは汚名を返上できるだろうか。
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