戦術の確認、メンタル、意見の相違…課題山積みのチームを本田圭佑はどう変えるのか

2018年06月11日 サッカーダイジェスト編集部

「シビアな会話と自信の融合がものすごく重要になってくる」

本大会まで精神的な準備も迫られる。本田はここからは「自信を過信に変えていくフェーズ」だと言う。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドカップ初戦のコロンビア戦まで10日を切った。本田圭佑はここからの期間を「自信を過信に変えていくくらいのフェーズ(段階)」だと言う。
 
 新体制になったばかりの日本代表には、メンタル面の準備の他にも、戦術の確認、選手同士の意見の擦り合わせなど、課題は山積みだ。ただ、本田は強気な姿勢を貫く。
 
「肌感覚で言うと、できると思っています。全部が全部できるわけじゃないですけど、まだまだこの10日間で精神的な準備、コミュニケーション、実際のピッチの練習、パラグアイ戦もやる。まだ良くなる。それで良いと思っています。

 というのも、本番は、練習試合では計り知れない緊張感があるので、僕の経験上、僕らが緊張感を持ってディフェンスでバタバタするのと一緒で、向こうも結構バタバタするので、そういう意味ではスイスみたいに、本番でコロンビアやポーランドやセネガルが落ち着いてやれるとも思わないし、そういう意味では、僕らは得点のチャンスはしっかり作っていけると思う。

 でも最後はボールを蹴る奴が枠の中に入れないと、試合は勝てない。でもそれはリラックスして自信を持って、シュートを打つ奴がしっかり本番に向けて、ここからは自信を過信に変えていくくらいのフェーズだと思っているので、議論してネガティブなことも話したし、いろんなことをたくさん話してきましたけど、短期間の中でね。ここからのフェーズは、シビアな会話と自信の融合がものすごく重要になってくる」
 
 JFAの田嶋幸三会長が「1%、2%でも勝つ可能性を追い求めて」踏み切った指揮官交代以降、西野朗新監督に率いられた日本代表は、5月30日のガーナ戦と6月8日のスイス戦でいずれも0-2の敗戦。ワールドカップ本大会で本当に結果が出せるのか、と不安が大きくなっている。
 
 結果が出ていない現状では、過信するどころか自信を持つことさえ難しいだろう。それでも「難しいことをやるのが日本代表なのでね」と平然と語る本田だが、「負けているとこういうネガティブな議論が先行してしまう」とも言う。
 
 そんな状況で本田が、チームの雰囲気を作るうえで自身に課している役割があるという。
 
「前向きな議論を増やしていきたい。脳の中にポジティブなワードを入れていくというのは、これから増やしていきたいなと思います」
 
 24歳だった8年前の南アフリカ大会は「とにかく自分のことしか考えていなかった。なるようになれ、というスタンスだった」が、今では13日に32歳になろうとしており、今回のメンバーでは4番目の年長者。経験を積み、よりチームを中心に考えるようになった。「もっと自分のことを考えないといけないな、というくらいチームのことを考えています。周りからは『もっとお前自分のエゴを出してプレーしろ』とよく連絡が来る」ほどだという。
 
 経験に裏打ちされた前向きな言葉が、どれだけこのチームに自信を与えられるか。その意味で、影響力抜群な本田の働きは重要になりそうだ。

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