アブラモビッチがチェルシー買収のメガオファーを蹴った! そのお値段はいったい…

2018年06月10日 サッカーダイジェストWeb編集部

世界有数の富豪はマンUファンを公言していたが

ロシア政府と太いパイプを持つ要人だけに、英国はアブラモビッチ氏への警戒感を強めている。イスラエルの市民権を取得して英国入りを果たすとの情報も。(C)Getty Images

 はたしていくらだったのだろう? チェルシーを買収したい億万長者が、ロマン・アブラモビッチオーナーに提示したオファー額である。
 
 英紙『Daily Mail』が伝えているのが、巨額のマネーが絡むビジネストークだ。仕掛けたのは石油化学産業で財を成した英国人の億万長者、サー・ジム・ラトクリフ。総資産200億ポンド(約3兆円)とも言われる世界有数の富豪は、マンチェスター・ユナイテッドのサポーターとしても知られる。そのラトクリフ氏が今回、チェルシーの買収に動いたというのだ。
 
 チェルシーのオーナーであるアブラモビッチ氏は現在、英国から入国ビザが発行されない状況下にある。一連のスパイ殺害未遂事件を受け、英国とロシア両国の関係はいまだ改善の兆しが見えず、西ロンドンに入れないでいるのだ。5月のFAカップ決勝でチェルシーはマンUを撃破して優勝を飾ったが、会場のウェンブリーに名物オーナーの姿はなかった。
 
 ただ手をこまねいているわけではない。ユダヤ人である同氏はイスラエル政府に働きかけ、すでに市民権を取得したとの情報もある。となれば、英国政府はビザなしでの短期滞在を許可せざるを得なくなるのだ。

 
 そんなドタバタ劇の最中、降って湧いたように舞い込んできたのが今回の買収オファーだ。結論から言えば、アブラモビッチ氏はこれを一蹴した。同紙は「彼は一度も売却すると発言したことはなく、すべてのオファーを断ってきた。特に最近は中国からの問い合わせが多く届いているが、聞く耳さえ持ち合わせていない」と解説する。
 
 買収オファーを投げたラトクリフ氏は、マンUのファンであることを公言しているが、それも昔の話。現在はスタンフォード・ブリッジ(チェルシーの本拠地)のシーズンチケットを持っており、熱心にチームをサポートしているという。氏に近しい関係者は「例えば、今回の提示額が20億ポンド(約3000億円)だったとしよう。それでもラトクリフにとっては大した額じゃないんだ。まあなんにせよ、現時点では取り合ってさえもらえないのだからお手上げだよ」と、同紙に語っている。
 
 ちなみに2003年のチェルシー買収時にアブラモビッチ氏が投じた総額は、1億4000万ポンド(約210億円)とされている。あれから15年が経ち、仮に3000億円の提示が今回あったのだとしたら──。実に15倍に膨れ上がった計算になる。
 
 今後、急転直下の展開はあるのか。動静をチェックしておく必要がありそうだ。
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