アルゼンチン代表に緊急事態! 期待のMFが大怪我で離脱…サンパオリの代用プランは?

2018年06月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

守護神の離脱に続く痛手…。

相次ぐ主力の離脱を受けてサンパオリはいかなり戦略を組み立て直すのだろうか。 (C) Getty Images

 ディエゴ・マラドーナを擁して頂点に立った1986年のメキシコ大会以来、32年ぶりのワールドカップ制覇を目論むアルゼンチン代表に緊急事態だ。

 現地時間6月8日、ロシアW杯最終登録メンバーに名を連ねていたマヌエル・ランシーニ(ウェストハム)が練習中に右膝の前十字靭帯の損傷。同日にアルゼンチン・サッカー協会(AFA)はこの技巧派MFが代表チームから離脱することを発表した。

 W杯メンバー発表後の5月22日にも、合宿で正GKのセルヒオ・ロメロが右膝を負傷して離脱を余儀なくされていたアルゼンチンにとっては、ランシーニの離脱はそれに続く痛手となる。

 2017-18シーズンのプレミアリーグで27試合に出場して5ゴール・6アシストをマークしていたランシーニは、昨年6月に行なわれたブラジル戦でA代表デビュー。そして、今年3月のイタリアとの親善試合で代表初ゴールをゲットし、ホルヘ・サンパオリ監督の信頼を勝ち得ていた。
 
 アルゼンチン代表においてのランシーニは、可変的な4-4-2システム下で、右サイドハーフのレギュラーとして見込まれていた。さらに左サイドとトップ下にも対応するそのマルチ性を、"戦術オタク"であるサンパオリも重宝していたのだ。

 それだけにサンパオリは、代役の選定に頭を悩ませていることだろう。現時点でバックアップメンバーの中で候補に挙げられるのは、レアンドロ・パレデス(ゼニト)、リカルド・セントゥリオン(ラシン・クラブ)、エンソ・ペレス(リーベル)、ギド・ピサーロ(セビージャ)、パブロ・ペレス(ボカ)、ディエゴ・ペロッティ(ローマ)、マウロ・イカルディ(インテル)だ。

 攻撃性のみを重視して選考するならば、サイドからのドリブル突破を得意とするセントゥリオンが頭一つ抜けている。しかし、ランシーニが務めていた右サイドには、すでにエドゥアルド・サルビオ(ベンフィカ)とクリスティアン・パボン(ボカ)という攻撃的な二枚が揃っている。

 となれば、ランシーニのように複数ポジションをこなせるプレーヤーが選ばれる可能性が必然的に高まってくる。そこで有力候補として挙げられるのは、エンソ・ペレスだろう。決勝で涙を呑んだ前回大会にも出場経験がある32歳のMFは、主戦場はボランチだが、右サイドでのプレーも可能で、チームの幅は広がるはずだ。

 アルゼンチン・メディア『Tyc Sports』によれば、サンパオリは「土曜日(現地6月9日)の練習を見てから代役を決定する」とされている。窮地の知将がいかなるプランを立てるのかに注目したい。
 
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