【日本代表|GL突破への3か条】コンディションを整え、”初戦にピーク”を

2018年06月10日 後藤健生

選手間の距離を短く――”それ”が日本サッカーの生命線だ

まずは守備プランを固めたい。3バック時は長谷部(17番)がリベロ、槙野(20番)が左ストッパーか。(C)Getty Images

 コロンビア、セネガル、ポーランドと難敵揃いのグループH。格上の相手ばかりのグループリーグを、日本代表が勝ち抜くためには何が必要なのか。〝下剋上〞を起こすための3か条は?

【日本のグループリーグ突破への3か条】
その1 コンディションを整え、初戦にピークを
その2 守備徹底から攻めへのシフトをスムースに
その3 幸運の女神の一瞬の微笑みを逃さない

 わずか3週間程度の合宿で技術・戦術の急速なレベルアップは期待できない。だが、コンディション調整は確実にできる。選手間の距離を短くしてパスをつないで動き回る――。それが日本サッカーの生命線だ。
 
 南アフリカ大会で成功したのはコンディションが良かったからだし、ブラジル大会の敗戦も調整の失敗が原因だ。上位進出を狙うコロンビアは初戦にピークを合わせてはこないだろうから、コンディションで上回れれば勝機が開ける。

 力関係を考えれば3戦とも守備に追われがちになるのは必然。ブラジルのように日本にわざとボールを持たせて戦うチームもあるが、グループHの対戦国にはそこまでの余裕はないから、日本の押し込まれる時間が長いだろう。3バックの採用など、まず守備プランを考えるべきだ。そんな展開の中で、機を見てスムースに攻撃にシフトできるかが成功への鍵。

 サッカーはもともと番狂わせが起こりやすいスポーツなので、どんな強豪でも勝利には運が必要。たとえばポーランドが2戦目までに勝ち抜けを決めて最後の日本戦で主力を休ませてくるとか、会場のヴォルゴグラードが蒸し暑くなるなど幸運があれば、勝利の可能性は上がる。

文●後藤健生(サッカージャーナリスト)

PROFILE ごとう・たけお/ 52年生まれ、東京都出身。64年の東京五輪を見て虜になり、W杯は74年西ドイツ大会から欠かさず取材中だ。著書は『サッカー紀行』など。
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事