本田圭佑の意味深発言「全部ダメになっても、あの戦い方はできる」。その真意とは?

2018年06月07日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「攻撃の議論はなしにしよう。それは最終パターンとしてあり」

スイス戦で「守備」をまず意識するという本田。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 コロンビア戦を見据えた時にスイス戦(6月8日)でやるべきことは? この質問に対し、本田圭佑は十分に間を取って「守備」と答えた。
 
「守備が良ければしっかりと攻撃の特長を出せる。その逆も然りなんですけど、スイス戦に限っていえば守備でいくつか試したいパターンがある。ハメることができたパターンと、ハメられない場合でのプレス、大きく言えばそのふたつ。しっかりポジションを確認しながらやっていきたい」
 
 その守備に関しては個人的な考えなのか、それとも、チームとして持っているものなのか。本田の答はどちらかと言えば後者寄りだった。
 
「僕と皆の思いの違いはあるのかもしれないにしろ、チームとして取り組むという意味合いで僕は思っています。全員が強い意識でやろうと思っているのは間違いない。でも、今のような質問に対して全員が守備と答えるかは分からない」
 
 本田のコメントから察するに、まだ細かい決め事までは整理されていないようだ。とはいえ、ワールドカップに向けてチームの方向性は「出始めている」という。
 
「その話をし始めていて、意思決定もし始めています。意思決定しているところは浸透しはじめていますし、意思決定できていないところは浸透しきれていない。今まではそこをいろいろと話し合って、お互いの考えを表現してきただけですけど、いろいろと前に進んでいます」
 
 チームとして前進しているなかで攻撃を含めトライしたいアイデアはたくさんある。だが、それが全て試せない状況であることも本田は理解している。「1試合で試せるとして、多くて3個。僕の中では今2個ぐらい試したい形がある」とはいえ、それが上手くいかないケースも当然あるだろう。
 
 もちろん、それも本田にとっては想定内だ。
 
「試したいと言ったプランAとBが機能しなかった場合も想定しないといけない。ワーストのケースが南アフリカ大会の時のやり方(守備重視)で、全部ダメになっても、あの戦い方はできると思っています。全員守備でいくと、攻撃の議論はなしにしよう。それは最終パターンとしてあり。その議論に行く前に今はトライしている段階。いろんなパターンで、相手の最終ラインを破る議論をしている。2010年の時はそんな議論がほぼなかった」
 
 まさに行き当たりばったりで、とにかくやるしかなかった当時に比べれば、「今は全然違う」という。「クオリティのある選手、そして経験豊富な選手がいて、いろんなパターンを用意できる」というのが、あれから8年経った日本の強みだと本田は自負しているのだ。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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