「カリスマ性を示した」「世界王者に朗報」9か月ぶり復帰のノイアーに絶賛の嵐! 熾烈な正GK争いがさらに激化

2018年06月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

ドイツはオーストリアに32年ぶりの敗戦も…。

9か月ぶりの復帰も及第点以上のパフォーマンスを披露したノイアー。この男の復帰はドイツの熾烈な正GK争いをさらに激化させる。 (C) Getty Images

 現地時間の6月2日、ドイツはオーストリアと敵地で対戦して1-2の逆転負けを喫した。

 11分にメスト・エジルのゴールで先制したドイツだったが、後半にペースダウンすると53分と69分に失点し、オーストリアに32年ぶりの黒星を喫した。

 試合後、ドイツの指揮官ヨアヒム・レーブは、「腹立たしいことだ。敗戦についてではない。私が憤慨しているのは負け方に対してだ」と、チームのパフォーマンスに怒りを露にするなど、世界王者として臨むロシア・ワールドカップに向けて不安を募らせた。

 とはいえ、ポジティブな要素がまったくなかったわけではない。頼れる守護神が帰ってきたのだ。

 昨年9月、左足中足骨の骨折により手術を行なったことで、キャリアを脅かす長期離脱を余儀なくされていたマヌエル・ノイアーが、このオーストリア戦で昨年9月16日のマインツ戦以来、約9か月ぶりとなる復帰を果たしたのである。

 今回のテストマッチは、「100%の状態でなければロシアには連れていかない」と話していたレーブからの最終試験と言っても過言ではなかったが、ノイアーは見事にこの試練を乗り切ってみせた。

 2失点こそ喫したが、要所でビッグセーブを披露したノイアーは、さらにビルドアップの際のボール捌きもソツなくこなし、健在ぶりをアピールしてみせた。
 
 試合後、ドイツテレビ局「ZDF」のトラッシュインタビューに応じたレーブは次のようにノイアーのパフォーマンスを評価している。

「あの長期離脱の後だ。マヌ(ノイアー)の復帰は素晴らしいことだよ。とてもいいプレーをしていたと思うし、2、3の見事なセーブもあったね。全てにおいて非常に満足している」

 また、ノイアーの復帰戦のパフォーマンスに対する各国メディアの評価も上々だ。

 ドイツ紙『Bild』が、「ロシアW杯に向けた新たな力。偉大なキャプテン・ノイアーはそのカリスマ性で自らがロシアに行く力があることを示した」と記せば、フランスの全国紙『L'Équipe』は、「偉大なGKが熾烈な競争に復帰した」と綴り、イタリアの全国紙『La Gazzetta Dello Sport』も「世界王者ドイツに待望の朗報だ。ノイアーがロシアW杯に向けて準備万端なようである」と評した。

 現在、ドイツ代表のGK陣はノイアーの他にベルント・レノ(レバークーゼン)、マルク=アンドレ・テア・シュテーゲン(バルセロナ)、ケビン・トラップ(パリ・サンジェルマン)の4人で争っている。いずれも他国であれば、守護神の座につける実力の持ち主だが、通常通りにGKが3枠だとすると、この中から誰か一人が落とされる。

 世界王者に輝いた前回大会でMVP級の活躍を示したノイアーの復帰は、この史上最高とも呼ばれるGK陣のポジション争いに大きな影響を及ぼし、レーブの頭を最後まで悩ますだろう。

 はたして、指揮官は登録メンバー発表の期限とされる6月4日までにいかなる答を出すのだろうか。
 
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