【U-19代表】平川怜が完全復活へ!長期離脱中に身体が一回り大きくなった背景には…

2018年06月02日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

「難しい気持ちで悔しさもあった。でも...」(平川)

合宿を終え、FC東京に戻った平川。6月3日に西が丘で行なわれるJ3・12節の鹿児島戦で出番は与えられるのだろうか。(C) SOCCER DIGEST

 6月1日、5日間にわたって行なわれたU-19日本代表の大阪合宿が終了。最後は影山雅永監督の一本締めで活動を打ち上げた。多くの選手が充実した表情で合宿を終えたなか、FC東京に所属する平川怜も今回の合宿で手応えを掴んでいる。
 
 平川と言えば、昨年10月にインドで行なわれたU-17ワールドカップで活躍し、同年11月には高校2年生ながらトップ昇格。周囲からの期待の大きさが窺い知れた。11月18日のJ1・32節の鳥栖戦では早速トップチームデビューを果たし、プロ入り後も順調に歩みを進めていた。

 しかし、J1初陣から4日後、幸先のいいスタートを切った平川に悪夢が襲う。トレーニング中に右足第5中足骨基部を骨折してしまったのだ。こうして、プロ1年目はまさかの負傷で終わりを迎えた。
 
 今季、チームは長谷川健太監督の下で新たなチャレンジを始めたが、平川は全治4か月と診断されており、開幕前のキャンプは別メニュー。まずは完治を目指し、リハビリに専念する形となった。
 
 当時の状況を振り返り、平川は「(怪我をしたのが)J1で試合にやっと出られたタイミング。春のキャンプも監督が変わってから最初の活動だったので、正直難しい気持ちでいろんな意味でもったいなかったと感じている」と素直に心情を吐露。昨年のU-17ワールドカップでともに戦った選手たちも続々とU-19日本代表に招集されていたため、「早く復帰したいと思っていた」と少なからず焦りがあったという。
 
 しかし、平川はやるべきことを見失わなかった。「サッカーができず、難しい気持ちで悔しさもあった。でも、だからといって自分も早く(活躍したい)とかは考えていなかった。自分のやれることをやろうとしていた」と、冷静に復帰後を見据えていたのだ。
 
 今回の離脱中、平川は筋力トレーニングに力を入れた。とりわけ、足が使えなかったため、上半身の強化に励んだ。現在はクラブの活動とは別にジムに通っており、復帰後に身体が一回り大きくなったように見えるのもそのためだ。
 
 現状では復帰して間もないため、試合勘や運動量という部分では負傷前の水準までには戻っていない。そこは本人も認めるところで、「コンディションはまだ完全とは言い切れない状況で、試合中はすぐに息が上がってしまう。そこはまだ足りない」と感じている。
 
 それでも、初めて参加したU-19日本代表の活動で持ち前のダイナミックなプレーを披露。影山監督も「本当にいいものを持っている」と今回の出来を高く評価している。まだまだトップフォームではないが、真摯にサッカーに向き合う平川であれば、完全復活までに多くの時間は要さないはずだ。

取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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