ロシア・ワールドカップ本大会開幕を目前に控え、出場各国は調整に余念になく、６月１日も各地でテストマッチが行なわれた。
 
　４日前のホンジュラス戦では内容の伴う勝利（２-０）を収めた韓国は、エディン・ゼコらを擁する強敵ボスニア・ヘルツェゴビナと対戦。３バックが機能するかどうかも注目されたが、29分、ヴィシュチャに角度のないところから強烈なシュートを突き刺されて先制を許す。
 
　その１分後、チョン・ウヨンの斜めのパスに対し、イ・ジェソンがうまく抜け出して、冷静なシュートを決めて同点とした韓国。以降も勝ち越しを狙い、積極性を示したが、前半終了間際にヴィシュチャの独走を許してリードを奪われた。
 
　好機を作りながらもこれを活かせなかった韓国は80分、ヴィシュチャにハットトリックを許す。ダイレクトボレーでのファインゴールを浴び、２点差とされたまま、試合を終えることとなった。

 
　同じくアジア代表のオーストラリアは、オーストリアのザンクト・ペルテンでチェコと対戦し、こちらは４-０の大勝を収めている。
 
　序盤はチェコの攻勢に晒されたものの、32分に相手DF陣を左右に揺さぶる攻撃からレッキーが押し込んで先制すると、53分にはナバウトがペナルティーエリアで巧みなフェイントからシュートを決めてリードを広げる。
 
　多くの好機を作り出したオーストラリアは72分、レッキーがエリア右側にフリーで侵入し、切り返しから相手ゴールを破って３点目。締めは80分、デゲネクが右サイドから入れたクロスが相手選手に当たって軌道が変わり、そのままゴールラインを越えた。
 
　スイスのシオンではチュニジアがトルコと対戦。試合は後半に動き、54分、トルコはジェンクが自ら倒されて得たPKを決めて先制。対するトルコはその２分後、バドリが目の覚めるような鮮やかなダイレクトシュートで追いついた。
 
　さらに79分、混戦からサシが相手GKの意表を突くシュートでポストを叩きながら勝ち越しゴールを奪ったチュニジアだが、最後までリードを守り切ることはできず、90分に左サイドを破られ、チャーラルの同点ゴールを許して試合を終えている。
 
　優勝候補のフランスはニースで、イタリアとの注目の一戦に臨んだ。立ち上がりから優勢に試合を進めたフランスは８分、セットプレーからエムバペが角度のないところで合わせ、GKシリグが後ろにこぼしたところをウンティティが詰めて先制する。
 
　29分にはリュカが倒されて得たPKをグリエーズマンが決めて加点したフランスに対し、イタリアも積極的に反撃を仕掛け、36分にエリア手前のFKを、代表復帰を果たしたバロテッリが直接狙う。強烈なシュートをGKロリスが弾いたところをボヌッチが詰めて１点を返す。
 
　しかしフランスは63分、エムバペが持ち込んだボールが左に流れたところを、デンベレが巧みにコントロールしたシュートでゴール右上を破り、再び点差を２点に広げ、ライバル相手に勝利を飾った。ポゼッションではフランスがわずかに上回るも、シュートはイタリアが多く放つなど、互いに良さを出した一戦だった。
 
　最後に、本大会で日本と最初に対戦するコロンビアは、エジプトとスコアレスドロー。イタリアのベルガモで行なわれた一戦、ハメス、ファルカオら主力選手を擁するコロンビアが、エースのサラーを欠くエジプト相手に主導権を握るが、ゴールは遠かった。
 
　最大のチャンスは36分で、好位置でのFKをハメスが直接狙ったが、これもポストに阻まれて、スコアを動かすことはできず。エジプトは守備の強さが印象的だったが、こちらも攻撃ではカウンター狙いも結果を出すことはできなかった。
 
　この日の試合結果等は以下の通り。
 
韓国 １-３ ボスニア・ヘルツェゴビナ
得点：韓＝イ・ジェソン（30分）　ボ＝ヴィシュチャ（29・45・80分）
 
チェコ ０-４ オーストラリア
得点：レッキー（32・72分）、ナバウト（53分）、オウンゴール（80分）
 
チュニジア ２-２ トルコ
得点：チ＝バドリ（56分）、サシ（79分）　ト＝ジェンク（54分）、チャーラル（90分）
 
フランス ３-１ イタリア
得点：フ＝ウンティティ（８分）、グリエーズマン（29分）、デンベレ（63分）　イ＝ボヌッチ（36分）
 
エジプト ０-０ コロンビア