【岩政大樹】柔軟なだけでは日本は勝てない。軸を定めてひとつの画を描ける組み合わせを見つけたい

2018年06月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

監督と選手のコメントを照らし合わせると、人によって見解が分かれているように見える

ガーナ戦で”雰囲気”を感じさせた柴崎選手あたりもチームの軸に名乗りを上げた感がある。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 ロシア・ワールドカップに挑む23人が決まりました。まずは、選ばれた23人の選手に「おめでとう」と伝えたいです。
 
 ガーナ戦を挟んでの発表となったため、決意新たに「これからだ!」となるより、すでに「道の途中」といった心持ちだと思いますが、子どもの頃にサッカー選手になることを夢見てから現在に至るまで、それぞれに様々な壁を乗り越えてきたはず。それがひとつ実を結んだことになります。ぜひ、その歩みで秘めてきた想いを余すことなくぶつける大会となることを祈ります。
 
 発表されたメンバーは、大方ここまでの合宿と昨日のガーナ戦で見えてきていた通りでした。落選した井手口選手、浅野選手、三竿選手に中島選手、久保選手を合わせると5人ものリオ五輪世代がギリギリでワールドカップに行けないという経験をすることになりました。これをバネに飛躍し、4年後の日本代表を引っ張る存在になってほしいと思います。
 
 ガーナ戦の内容、結果は決して褒められたものではありませんでしたが、未来については悲観して考える必要はありません。そもそも、23人が決定したことでチームのムードはガラリと変わるはずです。選手たちの頭のどこかに「競争」があったチームの中では、どうしてもチーム作りに100%向かうことはできませんが、ここからはみんなでひとつのチーム。一気に仲間意識が強くなり、チーム作りも進んでいくでしょう。
 
 ただ、時間がそれほど残されていないのも事実です。ここまでの監督と選手のコメントを照らし合わせると、3バックをどのように活用するのか、人によって見解が分かれているように見えます。これは監督から明確に説明されていないことの表われで、逆に言えば、ガーナ戦を見た上でいろいろなことを決めようと思っていたはずです。
 
 まずは、3バックをメインとするのか、あるいはオプションに過ぎないのか。そして、3バックをやるのであれば、どのような戦い方をするためのシステムなのか。ひとつの戦い方に決める必要はありませんが、とにかく選手たちが同じ画を描けるように早めに提示し、ある程度11人プラスアルファの選手たちの中で連係など細かいところを詰めていく作業に着手すべきでしょう。
 

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