W杯 日本代表 対 ギリシャ戦|主導権は握るも決め手を欠き、失望の0-0に終わる

2014年06月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

退場者を出して10人になったギリシャを日本は崩しきれず。

両チームのスターティングフォーメーション。
日本は香川に代わって大久保が先発。その大久保が2列目右サイド、岡崎が左サイドに入った。
ギリシャは故障を押してミトログルがスタメンも、35分にゲカスに交代。

 初戦を落とした日本は、グループリーグ突破へなんとしても勝利が欲しいギリシャ戦に臨んだ。コートジボワール戦での反省を踏まえ、開始から攻撃的な姿勢を見せたが、結果はスコアレスドロー。2大会連続の決勝トーナメント進出へ、苦しい状況に追い込まれた。
 
 日本は第1戦から先発メンバーふたりを入れ替えて臨んだ。1トップは大迫勇也で変わらず、2列目に香川真司に代えて大久保嘉人を起用。右から大久保、本田圭佑、岡崎慎司と並んだ。ボランチは第1戦同様、山口蛍と長谷部誠のコンビ。最終ラインは、森重真人に代えて今野泰幸を入れ、右から内田篤人、吉田麻也、今野、長友佑都という顔ぶれに。そして、最後尾に守護神の川島永嗣が構えるという布陣でスタートした。
 
 日本は戦前からの予想どおり、堅守速攻を得意とするギリシャに対し、ボールポゼッションで上回る。さらに、前線からの厳しいチェックで、積極的な姿勢を押し出していく。開始1分には、先発起用された大久保のドリブル突破から山口のシュートにつなげるなど、アグレッシブな立ち上がりを見せた。
 
 一方のギリシャも攻守の切り替えが早く、日本の隙を突いてはカウンターを狙う。最前線のミトログルを基準点に、コネ、サマラスがゴール方向へ果敢にチャレンジしていく。
 
 日本は、このギリシャのカウンターを警戒しながらもポゼッションから攻撃的な姿勢を崩さず、18分には大久保とのコンビネーションから、大迫が左足のシュート。その3分後には再び大迫がバイタルエリアでボールを受けると、前を向いてそのままミドルを放つ。いずれもゴールにはならなかったが、良い流れを維持する。
 
 そして、38分には長谷部に後方からのタックルを見舞ったカツラニスが、早くも2枚目のイエローカードで退場。日本は、数的優位を得た。

【写真で振り返る】日本 対 ギリシャ
 前半を0-0で折り返した日本は、後半のスタートから長谷部に代えて遠藤を投入し、攻撃のテンポを上げる態勢を整える。狙いどおり序盤からリズムを掴むと、57分には大迫に代えて、満を持して香川を投入。ブロックを固めるギリシャの守備を崩しに掛かる。
 
 68分には、その香川のサイドチェンジのパスから内田が中央へ折り返すと、走り込んだ大久保がビッグチャンスを迎える。しかし左足で合わせたボールは、ゴールの枠を捉え切れず、大きなため息がスタジアムを包み込む。さらに3分後には長友のクロスから、中央で岡崎が粘ったところに内田が飛び込んだものの、これもまた枠に飛ばない。日本は、ふたつの決定的なチャンスを逃してしまった。
 
 その後も日本は、ギリシャの高さのあるセットプレーを凌ぎつつ、優位に試合を進める。中盤以降は、ギリシャの選手たちの足も止まり始め、日本は敵陣でパスを回していく。
 
 ただし、肝心のシュートが入らない。時計の針が進むにつれて、ギリシャの守りもゴール前に人数を掛けて堅く閉ざす戦いへシフトしていくと、日本の攻撃にもスピード感が失われていく。
 
「中盤でつなぐことはできたけど、もっとバイタルエリアに(パスが)入ってくれば、チャンスはもっとできたと思う」
 そう語ったのは大久保だ。そして日本は難攻不落の堅守に対して、第1戦同様、地上戦での崩しを捨て、ロングフィードに頼ることに……。
 
 吉田が最前線へと攻め上がり、強引にギリシャゴールをこじ開けようとするが、ついにゴールシーンは訪れることなくタイムアップ。日本は勝点1を得るにとどまった。
 
 試合後、ザッケローニ監督は「部分的には自分たちのサッカーができたが、継続性がなかった」と振り返った。次のコロンビア戦は、勝たなくては決勝トーナメント進出の可能性が出てこない。拠り所とするアグレッシブなサッカーを実現し、今度こそ日本は勝点3を奪わなければならなくなった。

【写真で振り返る】日本 対 ギリシャ
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