傷心のカリウスのためにイタリア3部クラブ会長が用意した驚きの「誕生日プレゼント」

2018年05月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

「リミニで数日過ごしてほしい」

大一番でのミスで下降線を辿っていった選手は過去に多々いた。果たして、カリウスはここから立ち直って再び大舞台に立つことができるか。期待している人も少なくない。 (C) Getty Images

 レアル・マドリーがチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝でリバプールを下し、3年連続13回目の欧州制覇を遂げてから数日が過ぎた。
 
 世間の関心は、ワールドカップへと移りつつある。だが、致命的なミスで2ゴールを献上してしまったリバプールの守護神ロリス・カリウスの心の傷は、まだまだ癒えてはいないだろう。
 
 一部の心ない者による脅迫で警察が捜査に乗り出す事態となった一方で、彼には激励のメッセージも寄せられている。来シーズンからレーガ・プロ(イタリア3部)に昇格したリミニFCのジョルジョ・グラッシ会長もそのひとりだ。
 
 グラッシ会長はクラブ公式サイトでのオープンレターで、6月22日に25歳となるカリウスに、「リミニで数日過ごしてほしい」と呼びかけている。
 
「リミニは人を歓迎する場所で、彼と同じドイツ人がずっと以前から訪れてくれている街だ。リミニで彼に会い、伝えることができたら嬉しい。勇気と良識さえあれば、最も辛く、耐えがたいことこそが最高の教訓だと理解できるはずだとね」
 
「我々全員がそういうことを経験してきた。彼にとって残念だったのは、それが大勢の人が見ている前だったということだ。結局のところ、唯一にして真の失敗というのは、"敗北に負ける"ことだけだ」
 
「そういった言葉が彼の助けとなり、人生同様、サッカーにおいても、倒れてもまた立ち上がれるのだという模範になるよう、ロリスに伝えたい。違いを生むのは、人間性と気迫であり、経歴でも、決勝で負けたことやミスを犯したことでもないからだ。どんな精神と意欲で、いかに挑戦に臨むかが大切だ」
 
「だから、私はカリウスに誕生日プレゼントも贈りたい(彼の誕生日は6月22日)。リミニFCとの1年契約だ。落ち着きや自信、再び夢を追いかける力を取り戻すのに理想的な場所だよ」
 
「もちろん、お遊びじゃない。フランチェスコ・スコッティ(現チームのGK)のような素晴らしい選手との競争が待っている。ただナンバーワンに戻る上で、彼を支える用意がある街、そして素晴らしいファミリーと出会えることは確かだ」
 
 リミニ移籍が非現実的なのは、言うまでもない。ただ、グラッシ会長の言葉には、温かみも感じられる。汚名返上を目指す新シーズンの前に、アドリア海沿岸の街を訪れ、グラッシ会長と話すのも、カリウスが心機一転を図る上で悪くないかもしれない。

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