「前を向いて進め!」悲嘆に暮れるカリウスにジェラードやリオら“名手”から続々と熱きエールが!

2018年05月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

「これからの数か月はかなりタフな日々になる」

いま、カリウスの胸中に飛来する想いとは。名手たちが不可欠だと口を揃えたのは、彼への惜しみないサポートとメンタルケアだ。(C)Getty Images

 一夜明けても、欧州でその波紋は広がるばかりだ。
 
 現地時間の土曜日夜に開催された至高の大一番、チャンピオンズ・リーグ決勝は、レアル・マドリーが3-1でリバプールを撃破し、見事に凱歌を上げた。通算13回目にして3シーズン連続の欧州制覇。ともに前人未到の大記録を更新して、白い巨人は清々しく2017-18シーズンを終えた。
 
 その試合で大立ち回りを演じたのがリバプールの守護神、ロリス・カリウスである。51分にアンダースローで味方へ送ろうとしたパスが読まれ、相手FWカリム・ベンゼマの伸ばした足に当たって無人のゴールへ。さらに1-2で迎えた83分にはガレス・ベイルの無回転ロングシュートをキャッチに行ってファンブルし、このこぼれ球もゴールマウスの中へと転がった。どちらも致命的なミスで、ノーエクスキューズな代物だ。
 
 試合中からツイッターを中心にバッシングの嵐が吹き荒れ、さまざまな媒体を通して批判的な意見が殺到している。カリウス自身は悲嘆に暮れ、キエフに駆け付けたリバプール・サポーターの眼前で失態を深く詫びた。スタンドから温かい拍手が贈られる感動的な光景が広がったものの、現実はそう甘くはなかったのだ。

 
 そんなドイツ人GKを孤立させまいと、監督やチームメイト、かつての名手たちが早くもバックアップの姿勢を見せている。擁護&激励メッセージが相次いで寄せられているのだ。
 
 テレビ解説者として現地入りしていたリバプールOBで元イングランド代表のレジェンド、スティーブン・ジェラードはこう話している。
 
「誰も好き好んでミスをするわけじゃない。彼に対してファンがフェアプレーを見せてくれることを祈るよ。試合後にファンの前に出て謝罪までしたのは、称賛に値する行為だったと思う。きっとリバプール・ファンはどんな厳しい状況下にあっても支えてくれるはずだ。とはいっても、これからの数か月は彼にとってかなりタフな日々になるだろう。実にタフな夏になると思うよ」
 
 シーズンを通してカリウスを信頼し、とりわけチャンピオンズ・リーグで正守護神を任せてきたユルゲン・クロップ監督は、同胞GKの決勝でのプレーに対してこうインプレッションを明かした。
 
「私からなにを言えるっていうんだい? なにが起こったかはルイスが分かっているし、ほかの誰もが理解している。素晴らしいシーズンの最後にこんな試合をしてしまって恥ずかしいかぎりだが、私は彼の健闘を称えたい。本当にファンタスティックなんだよ。二つ目のミスは最初のミスを引きずっていた結果だ。フットボールでは得てして起こることさ。なんにせよ、今夜のゲームはベストな筋書きではなかったね」

次ページ主将は「チームのミスとして捉えるべきだよ」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事