【CL決勝 展望】スイス時計のように精巧なマドリーに対し、リバプールは“カオス”を起こせるか

2018年05月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

下馬評ではマドリーが優位だが。

故障者/レアル・マドリー=なし リバプール=ボグダン(GK)、マティプ(DF)、J・ゴメス(DF)、チェンバレン(MF)
出場停止/レアル・マドリー=なし リバプール=なし

チャンピオンズ・リーグ決勝
レアル・マドリー - リバプール
5月26日(土)20:45(日本時間27日3:45)キックオフ/オリンピスキ(キエフ)

レアル・マドリー

<決勝トーナメント以降の結果>
決勝T1回戦
〇3-1 パリSG(H)
〇2-1 パリSG(A)
準々決勝
〇3-0 ユベントス(A)
●1-3 ユベントス(H)
準決勝
〇2-1 バイエルン(A)
△2-2 バイエルン(H)

リバプール
<決勝トーナメント以降の結果>
決勝T1回戦

〇5-0 ポルト(A)
△0-0 ポルト(H)
準々決勝
〇3-0 マンチェスター・C(H)
〇2-1 マンチェスター・C(A)
準決勝
〇5-2 ローマ(H)
●2-4 ローマ(A)
 

 3連覇の偉業に挑むレアル・マドリーと、11年ぶりに大舞台に戻ってきたリバプール。チャンピオンズ・リーグ決勝は、まさしくヨーロッパのシーズンの締め括りにふさわしい名門対決となった。いずれも前線にワールドクラスのタレントを擁する攻撃型のチームだけに、守り合いに徹するような退屈なゲームが展開される心配はなさそうだ。

 英国最大のブックメーカー『William Hill』の優勝予想オッズは、マドリーが2.20倍でリバプールが3.30倍と、前者がやや優位に立っている。実際、「過去4年で3回ビッグイヤーと抱擁をかわしているマドリーに分がある」との声は少なくない。

 ただ、プレミアリーグを圧倒的な強さで制したマンチェスター・シティに準々決勝で完勝を収め、準決勝でも難敵ローマを寄せ付けなかったリバプールの実力と勢いは本物。連覇中のマドリーが相手とはいえ、緊迫した好ゲームが期待できるはずだ。

 とはいえ、リバプールには大きな不安要素がある。今大会ここまでチーム最多の10ゴールを叩き出し、躍進を遂げるチームを支えてきたエース、モハメド・サラーのコンディションだ。

 このエジプト代表FWは、5月16日からラマダン(断食月)――日中の飲食を断って神の恵みに感謝する、イスラム教徒の5つの義務のひとつ――を実施しており、「決勝に備えて3日間中断した」とも言われているが、好調時の状態に戻っているかは分からない。

 仮にサラーがラマダンによってベストコンディションにない場合、実績、個々の能力、経験値のすべてで上回り、さらにエースのクリチアーノ・ロナウドが好調を維持するマドリーが、3連覇を達成する可能性はぐっと高まる。

 リバプールのユルゲン・クロップ監督は前日会見で、対戦相手のマドリーを「スイスの時計のように精巧なチーム」と表現し、「だから我々はカオスを起こさなければならない」と語ったが、そのためには、サラー、ロベルト・フィルミーノ、サディオ・マネの3人で構成される前線の爆発は必要不可欠だろう。

 ジネディーヌ・ジダン率いる"白い巨人"が下馬評どおりの強さを見せるのか、一発勝負に強い"クロップ・レッズ"がそれを覆すのか。注目の一戦は、日本時間の5月27日午前3時45分にキックオフとなる。
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事