15連戦後半は出ずっぱり! 槙野智章が新監督就任後、休みなしで乗り切ったワケ

2018年05月24日 塚越 始

国内組の環境に甘さを感じていた

オリヴェイラ監督就任後、7試合連続でフル出場した槙野。タフな環境を自ら作り出してレベルアップに努めた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

「マキは誰よりもリカバリー能力が早く、何より元気があってタフ。だから試合に出てもらいたい」

 多くの主力選手がターンオーバーにより平日開催のルヴァンカップを欠場したなか、槙野はオズワルド・オリヴェイラ監督の就任以降、公式戦全7試合にフル出場してきた。さすがにはじめは、冒頭のように指揮官から言われた時は驚いたそうだが、すぐ気持ちを切り替えた。

「試合をするほうが、むしろサイクルを掴めるところもあります。そのなかで自分の足りないものも分かって修正していけますから。ポジティブに捉えています」

 そう槙野は言う。試合ごとにセンターバックやストッパーの組むパートナーが代わっていったが、「不慣れであっても連係面に気を付けながら、それぞれの個の強さを発揮できるように心掛けてきた」と言う。特にルヴァンカップでは、「チームが上手くいかない時に流れを変えるプレー、それに鼓舞すること」をテーマに掲げてきた。

 試合ごとに自身に様々なテーマを課す。その狙いについて槙野は語る。

「(欧州などでプレーする)海外組に比べると、国内組の環境に非常に甘さを感じています。だから、できるだけ、自分の置かれている中で厳しい状況を作り、高めていく必要があると思っています。その意味で、あえてオリヴェイラは僕に連戦を課して、どれだけ厳しい状況でも、厳しい相手を抑えることを試されているんだと思います」

 槙野はそのように期待されることをポジティブに捉えている。
 
「鳥栖のイバルボ選手、今日(広島戦)のパトリック選手もそうですし、僕にとってやり甲斐のある相手が毎試合、毎試合いて、この連戦の中でしっかりゼロに抑えること、1対1の部分でしっかり勝ち切ることが僕の大きな仕事であり、アピールにもなる」

 オリヴェイラ監督の就任後、公式戦3勝2分2敗(リーグ1勝2分2敗)。最後は4戦連続無失点に抑えた。勝利できなかった悔しさも、もちろんあったが、槙野はゴールを奪われなかったという自信を胸に、ワールドカップの舞台に挑む覚悟だ。

取材・文:塚越 始
 
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