13戦未勝利でも「風間監督続投」を明言!低迷する名古屋に巻き返しの策はあるのか

2018年05月22日 今井雄一朗

大森SDは柏戦後、外国籍も含めた補強の考えがあることを明らかにした

ジョー(右)の調子が上がってきているのは好材料だが…。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 昇格組、特に昇格プレーオフを勝ち抜いてきたチームがJ1で苦戦するのは珍しいことではないが、それにしても今季の名古屋の低迷ぶりは目に余るものがある。
 
 リーグ中断前最後の一戦だった柏とのホームゲームも2-3で敗れ、これで3節からの未勝利記録は13試合に更新された。13戦の内訳も酷く、3分10敗で10得点、失点は28にも膨れ上がった。10敗中8戦で3失点を記録している守備に最大の問題点があることは火を見るよりも明らかで、柏戦でも前後半ともに先手を打たれて失点を重ねる悪癖が敗因の多くを占めた。
 
 この試合ではオフサイドの判定によって名古屋のふたつのゴールが取り消されており、その点においては賛否も大いに分かれるところだが、3失点を喫してなお勝つというのはなかなかに厳しいミッションだ。
 
 いまだ勝点がひと桁しかないチームは名古屋だけで、7月からの後半戦では残留をひとつの目標に戦っていくことになる。すでにリーグでは浦和や柏が状況を変えるために監督交代に踏み切っており、劣勢の名古屋にもそうした視線が投げかけられているが、柏戦の試合後に名古屋は小西工己社長がサポーターへ向けても、報道陣へ向けても「風間監督続投」を強く明言。そして現体制発足から貫いてきた中長期的な強化への思いも改めて強調している。
 
「いま、中長期的にいわゆる"色"というか、こんなチームだというしっかりとした基盤を作っている最中です。この基盤作りというのは時間がかかるで済ませていてはいけないと思います。勝敗ももちろん大事です。しかし基盤作りは時間がかかるというのは、この開幕から今日までで私自身も思い知ったところ。これはしっかりと反省するところは反省して、反省をフィードバックして、前に向かうためのエネルギーにしないといけない」
 
 現在の名古屋は、チームを風間八宏監督が、いわゆるフロント業務をチームOBでもある大森征之スポーツダイレクターが取り仕切っており、小西社長は「決済はしますが口は出さない。私は社長として全面的に、物心両方の面でサポートする。それが役割」とあくまでサポート役に徹する。つまり今後のチームの浮沈を握るのは風間監督の采配と、大森SDの強化担当としての手腕ということだ。
 
 しかし監督の方針やビジョンは永久不変の哲学であり、今後も戦い方や考え方を大きく変えるとは考えにくい。後半戦へ向けた変化を期待するとすれば、やはり選手の補強に注目が集まることになる。大森SDは柏戦後、報道陣の質問に「どこが足りないかは試合を観ていただければ分かると思います」と語り、負傷中のホーシャの状態にも言及しつつ、外国籍も含めた補強の考えがあることを明らかにした。
 

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