「オーラがある」ガンバ時代の教え子・宇佐美貴史が語る西野監督の器

2018年05月22日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「しっかりと選手を見ている監督で――」

合宿初日はボール回しやランニングなど調整メニューをこなした宇佐美。トレーニング中には、時に笑顔を見せた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 日本代表の宇佐美貴史(デュッセルドルフ)は5月21日、ガーナ戦(30日)に向けた合宿をスタート。ボール回しなどの調整メニューをこなし、時に笑顔を見せるなど調子の良さを窺わせた。
 
 ドイツのブンデスリーガ2部で優勝して代表合宿を迎えた宇佐美は、「チームとして充実したシーズンを送れたというメンタリティをしっかりチームに落とし込めるように、勢いをチームに還元できるように、と思っています。僕自身、心身ともに良い状態ではあると思うので、それを継続することと、プラスアルファどれだけ良いコンディションに、爆発的なギアを入れることができるか。伸びしろのある1週間にしたい」と、ロシア・ワールドカップメンバーの発表直前のアピールに意気込んでいる。
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督から西野朗氏へと指揮官が代わり、初めての代表活動となるが、宇佐美にとってはどこ吹く風だ。「(監督交代は)よくあることですからね。1年で4回代わったことも経験していますし、別に監督が代わることに対して、僕は抵抗ないし、代わったらまたその監督が志向するサッカーに、チーム全員で取り組めばいいだけなので、別に過去のこととして見ている。まったくもって気にしていない」と意に介していない。
 
 ただ西野新監督とは、ガンバ大阪でプロ入りの2009年から2011年まで、指導を受けた間柄だ。宇佐美は恩師の器の大きさをこう語る。
「監督としてのオーラがある。しっかりと選手を見ている監督で、抜擢した若い選手が結果を出していくことを目の当たりにしている。僕自身もそういう使い方をしてもらって、なんとかプロとして最初にキャリアをスタートすることができた。また締めるところでピリッとさせるだけじゃなくて、たまに見せる天然っぽいところもある」
 
 宇佐美は、西野監督にルーキーイヤーからリーグ3試合に起用されると、翌年は26試合・7得点と躍進。プロ3年目には、夏までに14試合に出場して4得点を決めると、ドイツの強豪バイエルンへと移籍を果たした。
 
 そんなプロとして歩み出したばかりの自分を支えてくれた指揮官との"再会"に「最初にプロキャリアをスタートさせた時の監督で、運というか、巡り合わせを感じる部分はあります」と言い、笑顔を見せる一幕もあった。
 
 宇佐美は、恩師の下、ロシアワールドカップに辿り着けるか。いよいよ最後のサバイバルが始まる。
 
【画像集】ロシアW杯へ向けて、いよいよ西野ジャパンが本格始動!!

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェストWEB編集部)
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