恐るべしイニエスタの影響力! 「彼のためなら…」 代表監督とスポンサーが躊躇なく日程を変更

2018年05月20日 山本美智子

W杯のメンバー発表を2日遅らせる。

イニエスタのバルサ退団式典と日程が重なったため、スペイン代表のロペテギ監督(左)はW杯のメンバー発表を2日遅らせることを決めた。(C)REUTERS/AFLO

 バルセロナのキャプテン、アンドレス・イニエスタが今シーズン限りで退団するとあって、最終節を前に、さまざまなイベントが続いている。

 すでにバルサのリーグ優勝が決定しているため、最終節は「イニエスタのリーガにおける最終戦」にすべての関心が注がれているが、それを理由に、スペイン代表招集リストの発表まで延期されたというのだから、その影響力はただごとではない。

『AS』紙が報じた内容によれば、スペイン代表のジュレン・ロペテギ監督は当初、ロシア・ワールドカップ(W杯)に向けてのスペイン代表招集リストを、18日に発表する予定だったという。

 だが、この18日の夜にバルサが、カンプ・ノウでイニエスタのオフィシャルな送別会を行なう予定であることを聞きつけると、指揮官は躊躇することなく、招集リスト発表の日程を2日後の20日に変更したのだ。

 ロペテギ監督は、ピッチの内外で手本となるイニエスタの存在を、「スペイン代表の魂」だと考えている。そこで、イニエスタが主役になるべき18日に、ワールドカップのスペイン代表メンバー発表というニュースが重ならないように、配慮したのだと報じられている。
 
 一方で、そのことによる余波を受けたのは、スペイン代表のスポンサー企業のひとつである保険会社の『Pelayo(ペラヨ)』だった。同社は、20日にW杯に向けたキャンペーンを開始する予定だったが、メンバー発表が20日に見送られたため、それに合わせてキャンペーンの実施も48時間延期されることになった。

 驚くべきは、この日程変更に対する不満の声が同社から一切上がらなかったこと。『AS』紙が『Pelayo』社にその件について問い合わせたところ、担当者は「イニエスタのために、必要とあらばなんでもやる」と答えたそうだ。

 スペイン代表監督やスポンサーのスケジュールまでをも動かすイニエスタの影響力、まさに恐るべしだ。

文●山本美智子(フリーランス)
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