ハリルホジッチ激白! 仏誌編集長にだけ明かしたホンネ「仕事への愚弄だ!」「私自身が彼らを信用できなくなった」

2018年05月19日 レミー・ラコンブ(フランス・フットボール誌編集長)

「快挙を成し遂げるチームを作りたかっただけなんだ」

旧知のジャーナリストに熱い胸の内を明かしたハリルホジッチ前監督。あらためて日本代表とW杯を戦えない無念さを滲ませた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

「真実は、私も知らないんだ」
 
 日本代表監督の座を突如追われてから1か月半が過ぎたが、リール近郊の自宅に戻ったヴァイッド・ハリルホジッチは、いまもこの制裁を消化し切れていない。
 
「コミュニケーション不足なんて、そんなの理由になっていない!」
 
 と、怒り心頭だ。
 
 日本サッカー協会の田嶋幸三会長が3月31日の会談で持ち出したのが、この「コミュニケーション不足」という表現だった。以来ハリルホジッチは、日本の元指導部メンバーと「いっさいコンタクトを取っていない」と断言する。彼は契約解除の文書にサインすることを拒否し、東京で司法手続きを開始したという。
 
「話し合いなどしたくもない」と、ハリルホジッチは強調する。
 
「私が望んでいるのは、なぜワールドカップを戦うことを妨害されたのか、その真実を知ることなのだ。3年間も身を粉にして働き、アジア予選(のグループ)を首位突破したにもかかわらず、肝心の本大会を戦えなくなったのだ。私はカネのために日本に行ったわけじゃなかった。金銭面ならもっといいオファーが他にもあったのだから。私がしたかったのは、アルジェリアで実現した(2014年ブラジル・ワールドカップでベスト16に進出、優勝国ドイツと渡り合って惜しくも敗北)のと同じような道のりを、日本代表と再現することだったのだよ」

 
 ハリルホジッチ解任の背景を巡っては、ときにタッチライン際に残された何人かの主力――香川真司、本田圭佑、岡崎慎司――が不平不満を言ったという説や、スポンサーの圧力があったという説が囁かれている。
 
 だが、「なにも知らんのだ」と、前監督はすぐさま言い返した。
 
「彼らはステータスを持つ選手たちだ。オーストラリア戦、UAE(アラブ首長国連邦)戦と、いくつか重要な試合でプレーしなかったのは事実だが、しかし我々はそこで勝ったのだぞ。試合結果は私の判断が正しかったことを示した。何人かの選手が私を信用しなくなっていたように見えるかもしれないが、むしろ私自身が彼らを信用できなくなっていたのだよ。私はグループリーグで快挙を成し遂げ、ベスト8決定戦に進出できるチームを作りたかっただけなんだ」
 

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