「23人」に生き残るのは? ガーナ戦の選手選考から日本代表の"W杯メンバー"を占う

2018年05月18日 佐藤俊

柴崎と大島は、ひとつの椅子を巡ってガーナ戦に挑むことに

今回は7人のボランチが選出。タイプがかぶる柴崎(写真)と大島は……。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 ガーナ戦に挑む日本代表、27名が決まった。
 
 基本的にはハリル路線を踏襲したメンバー選出になっており、西野朗監督のオリジナル性はほとんど見られない。Jリーグで活躍した永井謙祐、さらに3月の欧州遠征で結果を出した中島翔哉が外れるなど、非常に堅いメンバー構成になったという印象だ。
 
 残念なのは、清武弘嗣、今野泰幸、小林悠の落選だ。彼らは怪我、コンディションの問題があり、メンバー入りを果たせなかった。とりわけ今野は西野監督が非常に期待し、中軸に考えていた選手で断腸の思いでメンバーから外したという。いずれも怪我なくプレーしていればロシアの舞台に立てた選手たちだけに運がなかった。
 
 気になったのは、過去グループリーグ突破を果たした大会には必ずベテラン枠となる選手がいたが、この27名のなかに見当たらないことだ。日韓大会では中山雅史、秋田豊。南アフリカ大会では川口能活らベテラン枠の選手が果たした役割は非常に大きいと言われている。

 今回は短期間にチームをまとめていく難しさがあるだけに、中山たちのような存在がより必要とされると思うのだが、実は西野監督はアトランタ五輪の時、オーバーエイジ枠を蹴って同世代だけで戦っている。今回は必要なしと判断したようだが、果たして、その決断が吉と出るか。
 
 基本的に、この27名からワールドカップのメンバー23名が選出されることになるが、過去のメンバー編成はGK(3)、DF(8)、MF(8)、FW(4)で3-8-8-4になっている。それに当てはめると今回発表されたメンバーはGK3名、DF8名、FW4名で人数的にピタリとハマっている。怪我などない限り、この面子でほぼ決定だろう。
 
 FWには故障を抱えている岡崎慎司が選出されているが、たとえスタメンで出場しなくても腐らずチームのために貢献できる選手。南アフリカでも悔しさを噛みしめつつサブ組を盛り上げていたので、外れることはないだろう。
 
 そうなると12名の選手が選ばれたMFから4名が外れることになる。
 
 パっと見て気づくのはボランチの選手が多いことだ。
 
 長谷部誠、青山敏弘、大島僚太、三竿健太、井手口陽介、山口蛍、柴崎岳の7名が選出されている。柴崎はトップ下など攻撃的MFとしてもプレー可能だが、プレースタイル的には大島とかぶる。ふたりは、ひとつの椅子を巡ってガーナ戦に挑むことになるだろう。

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