【W杯キープレーヤー解体新書】チアゴ・シウバ|ネイマール以上に重要な史上最強のCB

2014年06月17日 ロベルト・ロッシ

欠場すればチーム全体のパフォーマンスは2割減。

「守備ではカンナバーロやバレージと肩を並べ、攻撃では彼らを上回る」と分析したロッシ氏は、T・シウバを史上最高のCBと絶賛。 (C) Getty Images

 ネイマール以上に重要な、絶対不可欠の存在だ。仮に欠場すれば、最終ラインの守備力は3割減、チーム全体のパフォーマンスは2割は落ちるだろう。
 
 D・ルイスとのCBペアは、スペインのS・ラモス&ピケをも上回り世界最強といっていい。相棒のD・ルイスは、単独では世界のトップを争うCBとは言い難い。フィジカル能力とテクニックは高いものの、個人戦術と集中力・注意力といったメンタル面に弱点を抱えており、実際、チェルシーでは1試合に一度は看過できないミスを犯し、チームをピンチに陥れる。だが、セレソンではパフォーマンスが一気に向上する。それはT・シウバが的確に指示を出してコントロールし、プレーに自信と確信を与えているからだ。
 
 この絶対的なリーダーの存在は、チーム全体に大きな安心感をもたらしている。パウリーニョが思い切りよく前線に飛び込めるのも、両SBが同時に攻め上がれるのも、前線のアタッカーがボールロストを怖れず1対1の突破にチャレンジできるのも、背後がしっかり守られているからこそだ。
 
 爆発的なスピードと卓越した戦術眼、高い集中力と注意力、傑出したパーソナリティーを持ち、しかも攻撃の局面では質の高い縦パスやサイドチェンジで最終ラインからゲームを作り、セットプレーでは得意の空中戦でゴールを奪う。守備ではカンナバーロやバレージ(ともに元イタリア代表の名DF)と肩を並べ、攻撃では彼らを大きく上回るのだから、史上最強のCBと呼んで差し支えないはずだ。
 
 開催国のブラジルは、優勝を義務付けられる。しかも"らしさ"を貫いた上で頂点に立たなければならない。その実現には最終ラインで全てを受け止め、全ての問題を解決するT・シウバが不可欠だ。彼が十分なコンディションでピッチに立ち、本来のプレーを見せること。それがセレソンの優勝の条件だと言っても過言ではない。
 
分析:ロベルト・ロッシ
構成:片野道郎

※『ワールドサッカーダイジェスト 出場32か国戦術&キープレーヤー完全ガイド』p11より抜粋。
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