アトレティコではまだ無冠のF・トーレス…ELを制し、愛するクラブでの初戴冠なるか

2018年05月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

退団の悲しみに暮れている余裕はない。

今回のEL決勝が、アトレティコの選手として臨む初めてのファイナル。F・トーレスは愛するクラブで、最初で最後のタイトルを獲得できるのか。(C)Getty Images

 アトレティコ・マドリーは5月16日、ヨーロッパリーグ(EL)決勝でマルセイユと対戦する。今シーズン限りで退団するフェルナンド・トーレスにとっては、愛するクラブでタイトルを獲得する最後のチャンスだ。

 サポーターのアイドルであり、アトレティコに深い愛情を注ぐF・トーレスにとって、クラブでの日々が残りわずかとなってきたことへの悲しみや寂しさはきっとあるはずだ。だが、スペイン紙『Marca』によると、34歳のベテランFWは、「(ELの)決勝に進出したことで、退団のことはあまり考えずに済んでいる」と語っているという。

「僕らは非常に重要な試合を控えている。だから、もうすぐここで練習ができなくなるとか、これがスタジアムでの最後のプレーになるとか、そういうことを考えている余裕があまりないんだ。チームがファイナルに進出したわけだから、自分のことなんて二の次。でもファイナルの数日後、気づくんだろうね。本当に(ここでの生活が)終わったんだって」
 
 イングランドやイタリアを渡り歩き、2015年1月にアトレティコに戻ってきたF・トーレスは、この愛するクラブではまだ一度もタイトルを手にしたことがない。「子供の頃の夢はアトレティコでプロデビューすることだった」という彼は、トロフィーへの想いを口にしている。

「幼い頃、トロフィーを掲げるアトレティコの選手たちを見た。プロになってからも何度か目にしたけど、そのとき僕は、いつもチームから離れた場所にいた。でもサッカーは、ふたたび僕をここへ戻し、最後の最後にタイトルを争うチャンスを与えてくれたんだ。これは僕にとって必要なことであり、間違いなく特別なことだ」

 チームメイトも、F・トーレスの願いを叶えたいと意気込んでいるだろう。23歳のサウール・ニゲスは、「フェルナンドは怪物だよ。みんなにとってのアイドルなんだ。選手としてだけでなく、人としてもね」と、F・トーレスへの愛情を語った。

「彼が友人だなんて、僕は幸運だよ。アイドルだった人が友人になるなんて。これはお金で手に入れられることじゃない」

 F・トーレスはアトレティコで悲願のタイトルを獲得し、チームメイトから最高の形で見送ってもらうことができるのか。EL決勝は、日本時間の5月17日午前3時45分キックオフとなる。
 
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